人殺しの作法

　密室殺人、アリバイトリック、見立て殺人、首なし死体、一人二役、プロパビリティの犯罪……。人を殺す方法は無数にあり、そのどれもが適切である。無数にある殺害の方法やそれに関わる事柄について、創作メモとして断片的に書き記そう。

　創作論として展開する本稿は、どこから読んでも問題ない。一応同種の話題には通し番号を振っておいたので、参考にされたし。

１動機
　人はなぜトリックを弄するのか。なぜ殺すのか。どんなに魅力的なトリックも、犯人の犯罪への態度ひとつでたちまちその魅力を失う。どんなミステリもおろそかにはできない動機について。

２密室
　最古にして最適、かつ最高のトリックである密室について、虚構・現実を問わない知の巨人たちの肩を借りてその全貌を見る。

３倫理
　物語で誰かを殺す前に、自身は…続きを読む