概要
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聖ニコラウス局給付統括部アジア第十二配達課――。
”ミカベル”ことミカエル・ベルティーニの配属先の名称である。
ちなみに彼の勤める会社に社名はない。
なぜなら、この企業は天界に唯一存在する会社であり、識別名が必要ないからだ。
クリスマスに世界中の子供たちにプレゼントを配達するのがミカベルの部署の業務である。
とある事情で恋人のラファエルが同行することになった今年の配達業務。
それは、彼と彼女にとって特別な意味をもつものとなった――。
※キリスト教の世界観を参考にしておりますが、登場する”主”も”天使”も、宗教の枠を超えた普遍的存在であるという認識で描いております。
この物語の内容が宗教的な思想を押し付けるものではあ
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!高いクオリティで綴られた「現実なんてこんなもの」
地上に「人間界」がある様に、もし天上に「天界」があるならば、そこではやはりコミュニティが形成されている事でしょう。
人間が「天使」と呼ぶ存在に社会があるならば、正しくこの作品で綴られている様な日常が繰り広げられている事でしょうね。
本編ではそう言った「現実的な」天界の描写から始まります。
とても人間臭いと言って良いそこでの生活では、やはり人間界でも繰り広げられるやり取りが行われています。そしてやはりその世界での下界「人間界」でも、残酷な間での「現実」が存在しているのです。
一人の天使?が直面する、人間界での残酷な現実と迫られる決断。その答えは作中でご確認ください。
練り込まれた設定は圧巻…続きを読む - ★★★ Excellent!!!緻密な設定から生まれるユーモア×ヒューマンドラマ
細部まで手の行き届いた設定と、その提示の仕方が見事で、物語に引き込む吸引力を持った作品でした。
組織図ができてしまいそうなくらいによく練られた天界の会社の設定が面白いです。
大人になった天使たちが会社勤めをする、しかもその姿は現代のサラリーマンを彷彿とさせるから、天使×サラリーマンというギャップによるユーモアがよく効いています。
それでも、物語がコメディではなくドラマの方向へ向かっていくだろう空気は、例えば皮膚感覚的で柔らかな筆致や疲れたトナカイの件などできちんと作られていて、後の展開が違和感なくすとんと心に落ちてくるような感じがしました。
主人公が惰性で仕事をこなそうとしている反面、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!設定が「強引」? それを言うなら「going」
聖夜に活躍するサンタクロース。彼らは皆、天界に存在する会社のスタッフ。それぞれが属するセクションにおいてそれぞれのミッションを全うするため日夜励んでいる――そんなスタッフの中に「気付いた者」がいた。己のもうひとつのミッションに。
本作は、サンタの素性を明らかにしてそこから物語を発展させるクリスマスファンタジーですが、設定にかかる説明を必要とする作品は正直難しいです――読者を置いてきぼりにして自己満足に陥る危険が大きいからです。
異能の力や異世界を題材にしたものの中にその手のマスターベーション小説が多く、能力や世界観に関する冗長な説明に「勘弁して」と思ったのは一度や二度ではありません。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まさにクリスマスのための物語!誰もが楽しめるとっておきの童話
とにかく「物語」というよりいいお話だった!という感想です。
ボリュームは中編というところでしょうか、物語に引き込まれてあっという間に読み終えました。
恋人同士のサンタ天使(ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが)は、クリスマスに配達をしています。二人の所属する部署が現代の企業みたいな構成になっており、このあたりがまた独特で楽しめます。この二人クリスマス当日に子供たちにプレゼントを配って回るのですが…と、ここからはご自分の目で。
細かい設定もさることながら、もっと大きな問題にも目を向け、もっと幸せな世界、もっと暖かな世界を志向する作者の優しさが心にしみてきます。
クリスマスまでに読んでほしい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!聖なる夜には奇跡が似合う
絵本として本屋に並んでいそうな作品です。
小さいお子さんのいらっしゃるパパとママはきっとこのお話を読み聞かせたくなるはずです。特に前半部分。
後半部分は少し大きいお子さんや大人の皆さんに。
クリスマスにふさわしいハートウォーミングストーリー。
奇跡が起きる聖なる夜。
でも奇跡を起こすのは人を思いやる優しさや願い。
もちろんフィクションですが、すんなりと理解できる設定と展開にに脱帽です。
今頃、各部署ともにお忙しいのでしょうね(^_-)-☆
お疲れ様です。
このオフィスのみなさんにメリークリスマス!
今年のクリスマスも頑張ってくださいね。
そしてあの家族には……。
やっぱりメリーク…続きを読む