-4日目- 「no pain, no gain」

光射す木洩れ日を身に浴びて、林の中の落ち葉や腐葉土を踏みしめながら、その柔らかな感触を楽しんでてくてくと歩き、小川に沿って流れる水のせせらぎ音に聞き耳を立てていると、疲れが半減していく気がする。1fゆらぎの法則だとか、α波がどうのだの、フィトンチッド効果とか、女性誌のヒーリング特集なんかでよく目にするけれど、そんなものは気の迷いで、まやかしと同じで何の効果も無いと思っていた。

でも今ここで、森の中のベンチに座って目を瞑り、耳だけをじっと澄ませていると、ほがらかに気持ちよさそうに唄う小鳥のさえずり、合唱団のコーラスのみたいに様々な虫の声、爽やかな風が梢を渡っていく葉擦れの音が、スーーッと身体の中に染み込んでくる。

心の中に刺さってじわじわと痛みを感じさせる棘の様なものが消えて、閑かに心が穏やかに、気持ちが落ち着いていくのが解った。

ここに来て良かった。またこうなった時はお願いね。自然の中の生物たちにお礼を言った。



さて時間だわ。

私は問題の駅へと向かう為、お世話になった公園を後にした。







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午前零時のタイムループ 赤松 帝 @TO-Y

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