霊感のあるホラー漫画家・結菜と、イケメンの隣人・颯馬が謎解く心霊ミステリです。
霊視と一言で言っても、実際そんなのよくわからないと思っている方へ。
作者さんが綿密に調べたオカルト系の知識と幅広い分野の雑学が、リアルと霊界の狭間を垣間見せてくれます。
こちらの作品は流行りの心霊系ミステリでありながらどこまでも論理的で、ラストはカタルシスを感じるほどに。
霊視から始まるエピソードは、様々な伏線を呼び、絡み合い、たどり着いた場所は悲劇と一言で語るには驚愕な結末でした。
私的には家にまつわるお話がとても興味深かったです。
人は家も愛してるんだなと素直に思えて、その自分の感情に気づいてハッとなりました。
ネタバレになりそうなので詳しくは書けませんが、主人公ふたりの掛け合いも楽しく、読者の知的好奇心をくすぐる内容となってます。
エンターティメント性に優れた熱量たっぷりの感動系ミステリ。
ぜひ、ご堪能ください。
霊感の強い売れない女性ホラー漫画家と年下イケメン大学生が、怪異事件に迫ります!
依頼人の話を聞き、漫画家の天城結菜さんは、現場に赴いて霊視し、持ち前の画力でスケッチします。
相棒の大学生、芹沢颯馬さんは、霊感こそ乏しいものの、大学で学んだ民俗学と、研ぎ澄まされた推理で、真相を解明します。
性格も立場もまるで異なる、凸凹男女コンビですが、お互いの得意分野を活かしながら、一筋縄ではいかない怪異事件を解決する過程は鮮やかそのもの!
これこそ、最高のバディーでしょう!
連絡短編になるのでしょうが、一話一話がかなり作り込まれていて、また、作者様の持ち前の、重厚なのに読みやすい文章で、物語にさらに深みが増しています☆
これまで書籍化も経験されている、実力派作家の坂神氏の描く、渾身の怪異ミステリーの世界に、足を踏み入れてはいかがでしょうか!?
(第二話「帰り着けない家の灯り」読了時点のレビューです)
主人公は、ホラー漫画家・結菜さんと民俗学を学ぶ学生・颯馬くんの二人です。
結菜さんは、怪異を霊視できるという自分の能力を活かして怪異事件に挑んでいく(ついでにその体験を漫画のネタにする)わけですが、その時に彼女を助けてくれるのが世話好きな好青年の颯馬くん。颯馬くんは、民俗学の知識とミステリー小説で培った推理力で、結菜さんが霊視した怪現象の謎を解き明かしていきます。
柳田國男の著作物や古くから伝わる妖怪など、作者さんが緻密な民俗学&怪異の下調べをしたうえで執筆されているので、オカルトや都市伝説に興味のある方は読みごたえがあると思います。
また、個人的には主人公二人の恋のゆくえ(?)も気になるところ。
がんばれ、颯馬くん! 相手はにぶちんでダメな大人の漫画家だ! 好意に気づいてもらうためには、怪異の謎を解くよりも大変だぞ!