概要
たとえ四肢をもがれようと戦い抜こう。理由なら、お前に貰ったから。
じゃんけんに負けると頭が破裂する、奇妙な法則に支配された世界。人類の文明圏は〈帝国〉とだけ呼ばれる巨大政体によって完全統一されていた。皇立監獄都市アギュギテムに投獄された少年、狼淵(ロイド)・ザラガは、大それた決意を胸に、勝ち抜き方式の獄中武術大会に出場する。だがそこは、狼淵のいかなる想像をも絶した人類史上最強最悪の魔人どもが喰らい合う、修羅の蟲毒であった――
剣と、じゃんけんと、論理と、駆け引きのダークファンタジー。
※本作の一気読みはお勧めしません。あなたの心身に重大な損害を与える恐れがあります。頭痛や吐き気、めまいなどを感じられたらすぐに読書を中断し、暖かいココアを飲みながら十分な休息をとられることを強く推奨します。筆者の友人はこの警告を無視して読みふけったあげくに心神喪失し、
剣と、じゃんけんと、論理と、駆け引きのダークファンタジー。
※本作の一気読みはお勧めしません。あなたの心身に重大な損害を与える恐れがあります。頭痛や吐き気、めまいなどを感じられたらすぐに読書を中断し、暖かいココアを飲みながら十分な休息をとられることを強く推奨します。筆者の友人はこの警告を無視して読みふけったあげくに心神喪失し、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!本物の闘争がここにはある!
闘争とはなにか。個人と個人の争い、階級闘争、民族紛争、国家間の争い、宗教戦争──およそ人が二人以上存在する時、そこには利害の衝突が生じ、人の相克が生み出される。それは人の持つ多様性の必然的な帰結であり、人の歴史とはいわば闘争の歴史なのだと言える。
そしてその闘争のもっともプリミティブにして純粋な様式。それこそが『じゃんけん』なのである。
この物語は闘争の物語である。
じゃんけんという純粋闘争様式を軸として、異能、知謀、単純暴力、達人技、兵器、そして欲望。ありとあらゆる手段を駆使し、超人たちが相争う。
それが面白くないわけがない。面白いに決まっている。実際、この物語は破格の面白さなので…続きを読む - ★★★ Excellent!!!極限まで突き詰められた知略・暴力・謀略バトル
じゃんけんに負けると頭が爆発する。
確かにこのムチャクチャな事象は作品のキモであり、読み手を興奮させる要素のひとつだ。単なるトーナメント・バトル小説ではないことがわかる。
だが『鏖都アギュギテムの紅昏』の魅力はそれだけではない。
なぜか。それは、この戦いが運否天賦の「じゃんけん、ぽい」だけで勝負がつくような単純でナマッチロイ話ではないからだ。
命を賭けて舞台にあがる十六人の罪人の多くは、『相手が何を出そうとしているのかを察知できる』。そして、それぞれが常人離れした『身体能力』と、神器の如く凄まじい特殊能力を秘めた武器『神聖八鱗拷問具』を持っている。
すると何が生まれるのか。
直接暴力(…続きを読む