第33話 内閣総理大臣とは。

 「じゃあ、そのコントローラーをパイロット候補の誰かに渡して巨大ロボットを再始動させろ。敵さんだっていつまでも待ってはくれないぞ」

 「これは総理がお使いください。その為に持ってきたのですから」

 「は? おめ~何言ってんの? いくらなんでも超展開過ぎるんだろ。そもそもどうして俺がやんなくちゃいけないんだよ。俺、内閣総理大臣だぞ」

 「ですから、総理の務めとして、日本のいえ、地球の危機を救うのです」


 「ばっかやろ~! 内閣総理大臣ってのはな、公衆の面前とかTVカメラとか人の目に写るところで愛想笑いを振りまきまくって良い悪いを含めた国会の決定を国民に”ああ~そうですね”って適当に納得させるのが仕事であって、直接手垢にまみれるようなことは一切しないもんなんだよ!」

 「なればこそ、ここで地球の危機を救うことで総理としての有り様を変え、以前仰られていたように総理の名前を日本のみならず世界の歴史に刻むのです」

 「誰がどう聞いても完全な口車がじゃねえか。だいたい巨大ロボットのコントローラーの操作なんてすぐに覚えられるもんじゃねえだろ。俺、フ○ミコンのコントローラーで止まっているんだからな」

 「そう仰られるだろうと思いまして『読むだけで誰でも一分で操作が覚えられる特別マニュアル』もご用意してあります」

 「どこまで用意周到なんだよ!」

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