最終話 巨大ロボット万歳!
「侵略者の奴等、巨大ロボット渡したらほんとに地球から出て行ったな。約束通りにしてくれて助かったぜ」
「はい、自分も譲渡が終わった途端、態度を一変されたらどうしようかと思いましたが、何事もなくて安心しました」
「それにしてもだ。巨大ロボットで地球が救われるなんて、計画が始まった時には思いもしなかったな」
「同感です」
「しかし大変なのはこれからだぞ。地球の脅威が無くなった以上、他国政府は色々と理由をこじ付けて約束を反故にしようとしてくるにちがいない。下手をすると我々を大陸の三分の一をふっ飛ばした戦犯として、経済措置を取ってくる可能性さえあるぞ」
「その可能性は考えられますが、世論は日本に味方しますよ。なにせ我々には敵地に乗り込んで地球を救ったという大戦果がありますからね。実際政府がクレームを言ってくる一方で、他国の国民からは称賛と感謝の声が届いていますので、我々が世界のトップに躍り出る為の材料は十分に揃っているといえるでしょう」
「あれだけ苦労させられたんだ。それくらいの見返りはあってもいよな。世界を相手にどう立ち回るからは私の総理としての腕の見せ所というわけだ」
「期待しております」
「総理、そろそろ祝賀パレードの時間です」
「そうだな。それにしてもあの歓声はどうにかならないのか?」
「我が国の勝利の証と思って快く受け入れてください」
「わかったよ」
「巨大ロボット万歳! 巨大ロボット万歳! 巨大ロボット万歳!」
「お、総理が出てきたぞ。巨大ロボット万歳! ロボ総理万歳!」
「総理、ここはいつものツッコミは控えて笑顔で対応してくださいよ」
「・・・・・・わかっている。みなまで言うな」
こうして地球はとりあえずの平和を取り戻した。内閣総理大臣は、地球を救った巨大ロボット建造を国家規模で行った栄誉により、世界唯一人の”ロボ総理”として歴史に名を刻み、後の世まで語られることになるのであった。
めでたし、めでたし。
「これのどこがめでたしなんだよ! ロボ総理なんで全然嬉しくねえよ!」
終わり。
巨大ロボット万歳! いも男爵 @biguzamu
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