第24話 現場視察。

 「総理、本日は巨大ロボット開発工場への現場視察となっています」

 「もうそんな時期か。わざわざ、わたしが行かなくても中継でいいんじゃないの」

 「それもそうなんですが、国民へのアピールだと思ってください」

 「やれやれ、行くとしますか」


 「大分出来ているな。思っていた以上の進み具合じゃないか」

 「作業員全員が、昼夜を別たず不眠不休で作業に当たっているとのことです」

 「理由はどうあれ、大したものだ。完成した時にはそれなりの表彰をしないとな。それとは別にさっきからずっと気になっているんだが、ロボットの顔が人間の骨格みたいな形をしているのはどういうわけだ?」

 「なんでも、人間と同じような表情を作れるようにしているとのことです」

 「おいおい、そんな無意味な機能なんか必要無いだろ。予算だってけっこう喰っているんじゃないのか?」

 「はい、一兆円かかっているそうです」

 「余計なとこに予算使ってんじゃねえよ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る