第22話
アリスは目覚めた。勢いよく起き上がる。
「……たっ!」
「……アリス?!ダメよ!いきなり起き上がっちゃ!」
目を張らしたメアリーアンがアリスを支える。
「……メアリーアン!私!あなたに言わなきゃいけないことがあるの!」
「治ってからでいいわ!今は傷を治すことに専念して!」
必死にアリスを押さえる。
「お?アリスちゃん、目が覚めたんだね。王子さまのキスは要らなかったかい?残念だなぁ。」
「先生!私の目の黒いうちは許しませんからね!アリスが可愛いからって油断もへったくれもない!」
「可愛い顔して怖いなぁ、メアリーちゃんは。」
「私がちょっと目を離した隙を何度も狙っておいて何云ってるんですか!」
「いやぁ、可愛い子に目がなくてねー!あははは!」
「……怒りますよ?」
「怖い怖い♪……ん、脈拍も眼光も正常だね。数日もしたら通院で済むかもね。打ち所が良かったね。頭には異常はなかったよ。」
それでもメアリーアンは医者から、アリスから目を離さない。
「……まぁ、三日間も意識がなかったんだ。ゆっくり女の子同士で話すといいよ。邪魔物は退散しま~す。」
そういうと彼は飄々と去っていった。
「私、三日も寝ていたのね。
……メアリーアン、聞いて。私ね?あなたに謝りたかったの、お礼が言いたかったの。」
「……アリス?」
メアリーアンは目を瞬かせた。
一体眠っている間に、彼女の身に何が起こったのだろう。
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