第23話
メアリーアンはアリスに向き直る。
「……いつものアリスじゃない。何だか変わったわ。」
「……私、夢のなかで知ったの。
本気で接してくれる人には本気で接しなきゃいけないんだって。みんな優しかった。…出来れば、そのまま居たかった。でもね?居なかったのよ……。」
「居なかった?誰が?」
「……メアリーアン、あなただけ居なかったの。私、あなたがいない世界に居ても楽しくない。だから、帰ってこられたの。……ある人が教えてくれた、全部。」
「ある人?」
「でも、これは先に言わせて。メアリーアン、理由はどうであれ、体をはってくれて、見捨てないでくれてありがとう。……そして、困らせてばかりでごめんなさい。」
「そんな……!いいのよ、アリス!私はあなたを守って、信じ続けるために居るの!今は親友としてあなたと一緒にいたい!守りたい!傷付いた心ごと!」
枯れたはずの涙が溢れるメアリーアン。
「ありがとう、メアリーアン。私も守るわ。守られるだけじゃ駄目だもの。……打ち勝って見せる!」
「……アリス!」
メアリーアンは優しく、強くアリスを抱き締めた。アリスも抱き締め返す。
「……ねぇ?フリードはどこ?」
「フリード?!なんで……。」
驚きを隠せない。何故アリスは知っているのだろう。
「……フリードが全部教えてくれたの、真相を。」
信じられなかった。信じられるはずなかった。
何故あのフリードが出てくるのか。
だって、彼は………。
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