第13話

精悍な顔立ちの男性、白のキングが颯爽と現れる。



「よぉ!赤いの!また泥まみれだな!また嫁さんにどつかれるぜ?」


「あははは……。それは困りますよ。」



無言でつかつかとアリスの前に歩み寄る。



「……アリス。アリスなんだな?!」


「あ、はい。え?」



呆気に取られるアリス。



「逢いたかったぜ!可愛いなぁ!嫁さんも可愛いがな!」



豪快に笑う白のキング。アリスの手を握る。(おいこら!)



「ず、ずるいですよ!なにしてるんですか!」


「いいじゃねぇか。減るもんじゃねぇし。なぁ?」



アリスは困惑顔。(当たり前だ!)





「あのぉ?いつまで……。」



恐る恐る聞くアリス。



「俺が満足するまで♪」






後ろからパタパタ可愛らしい足音が聞こえてくると、白のキングが舌打ちをする。



「あー!両陛下発見ですぅ!」


「ダメですよ……。奥様に怒られます……。」



軽装の甲冑を身に付けた可愛らしい、対照的な少年少女がやってきた。



「……おねえちゃん、アリスだ。」


「ホントだーー!!」



白のキングを引き剥がし、両脇に陣取る。



「あいたかった……。あそんで……。」


「なによぉ!あたしが遊ぶの!ね?!」



さらに子供に懐かれ、戸惑うアリス。



「あ……、赤陛下。女王が荒れてます……。」


「……またかぁ。今日はどんな八つ当たりをされるやら。とほほ。」



そういうと二人を離し、アリスに向き直る。



「淋しいけど、ここお別れだね。……逢えて嬉しかったよ。アリス。」



そういうと優しく頬にキスをし、踵を返し去っていく。(くそぅ。)

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