第3話

「ん……、ここは?私、落とされたはずよね?」



アリスは大きな切り株の上に倒れていた。

深い深い森の木漏れ日の優しく指す切り株に……。



「……お姉ちゃん、どこからきたのぉ?」



白いウサギ耳の少年がアリスの顔を覗きこんでいた。(ちけぇよ、クソガキ!)



「……そんなの知らないわよ。」


「じゃあ、いくとこあるの?」


「……ないわ。」


「じゃぁ、僕とおしゃべりしようよ!」



純粋な目でアリスをキラキラ見つめる。



「勝手にすれば?」


「ねぇねぇ、お姉ちゃんって可愛いよね!」


「……どこがよ。」


「……髪も。」



髪をすくい、匂いを嗅ぐ。



「……いい匂い。」


「な、何してるのよ!」


「照れちゃって可愛いなぁ。……肌もきれいだね。」



両手でアリスの頬を撫でる。(触りすぎだ!)



「……ちょっと赤くなってる。ホント、かわいいなぁ。」


「……は、離して!」


「やだ。こんな可愛い人、ここにはいないんだから堪能させてよ……。」



どんどん顔を近づけてくる。

そして、……軽く唇に触れる。(くそぅ…。)



「な、なにするのよ?!」



はね除ける前にふわりと避ける時計ウサギ。



「ご馳走さま♪……次に会うときはこれだけじゃすまないかもね。……なんちゃって★またね!アリス!」


「な、なんなのよ!え、……なんで名前?」



ここはアリスの為の世界。皆、彼女を知っている。

そして……。

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