エピローグ

選んだ現実で……

「………!アリス!」


管が抜けることも気にせず、フリードはアリスを抱き締めた。


「生きて……、生きて償ってよ。私のために……。」


アリスは、フリードの腕の中でまた、涙を流す。


「……うん、うん!ごめん、アリス。僕は間違っていた。死んでしまったら、また君を悲しませてしまう。」


アリスは、最愛の弟・ルイスを失っている。

アリスを守るために、死んでしまったルイス。

彼女は、その哀しみから抜け出せてはいない。

フリードがこのまま死んでしまえば、更なる哀しみを与えることだろう。


「もう、誰も失いたくはないの……。」


「うん、もう死んで償うなんて言わない。大好きなアリスのために。」















…………数ヶ月が経った。

アリスはフリードと共に、近くの丘の上にいた。

アリスにじゃれつく縞に見える模様の仔猫。


「……『ルイス』。あなたは甘えん坊さんね。」


アリスは優しく微笑み、仔猫を抱き上げる。


「…『ルイス』は本当にアリスが大好きなんだね。」


フリードも仔猫を撫でている。


「……そうね、これからはずっと一緒よ。『皆』で幸せになりましょう?」


アリスは、ゆっくりと振り向く。

そこには安心したように微笑む、メアリーアンがいた。


「……二人とも、まだ怪我は完治していないんだら!早く病院にいくわよ?ふふ。」






……アリスはやっと、自分がどれだけ幸せかに気がついた。

現実だから、苦しいことも悲しいことも、まだまだ経験するだろう。

しかし、彼女はもう、後ろを振り向くことはない。

愛する恋人、親友、そして家族と共に乗り越える勇気を手に入れたのだから。



……『ルイス』を忘れたわけではない。

、前に進む決意をした。

心はそう簡単には、修復できない。

でも、補っては行けるから。

ことで、強くなれると信じて。



夢の世界が、アリスを導いた。

一方的な想いだけでは、愛は成り立たない。

想いあってこそ、愛が成立すると知ったのだ。



~終焉~



















━━━━さぁ、次のアリスはだぁれ?


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深層心理の国のアリス 姫宮未調 @idumi34

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