深層心理の国のアリス

姫宮未調

プロローグ

第0話

━━さぁ、皆さん。あなたはどんな子ども時代、お過ごしになられたでしょうか?

楽しかったことも、悲しかったこともさぞかしたくさんあったことでしょう。


本編のアリスは……。━━







一人の少女を笑っている少年少女たち。

……一人だけ、後ろで今にも泣きそうな少年もいた。


「…………………。」


「うわっ気持ちわりぃ!ブースブース!きゃははははは!」


「やめてあげなさいよぉ、クスクス。」


「んなこと思ってないでしょー?てか、消えてくんない?トロくて邪魔!

あ、そうそう!あんたの親もウザい!なによ、これ!『娘をいじめないでください。』

……ばっかじゃないの?」


「親とかかんけーねーだろ?!めんどくせーし、ウゼーの!」


「あたしいじめてないから迷惑なんですけどぉ?」


「ほら!出てけよ!ツラみせんなよ!」


「………。」



殴り、蹴られ、罵られた彼女は外に押しだされたんですよ。

毎日毎日からかわれ、汚いもの扱いされる。

女の子というよりもっとひどい。

人間扱いされなかった子ども時代。

彼女の頭のなかはただ一つの念に支配されてしまっていた……。



『死にたい』と。



「うっ…く、ぅぅぅ…ぁ、ぁ、ぁ…ああああああああ!」







いやー皆さん、ごきげんよう!

こんなシーンから始まるなんて予想外だったでしょう?うんうん。

でも、今明るくて楽しい人も過去は真っ黒。

なぁんてこと、あると思いますよ?

ふふふ。ようこそ、摩訶不思議な空間へ……。歓迎しますよ。

さぁて、案内や実況しかしないですよ?

出口?そんなものは自分で探してくださいよ。

ふふ、あはははははははは!!

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