第21話
「……僕は弱かったけど、言葉で勝ったよ。体では負けたけど。言ってやったよ。
『僕は君のこと、嫌いじゃなかった。でも、今の君は嫌いだ。僕の好きな人を傷つけて平然としている。僕の大切な友人を殺させて平然としている。
人間として最低行為をしてしまった。そんな君を一生好きにはならない。一生赦さない!』って。
……彼女は表情を崩して発狂した。
それと同時に僕は皆に暴行を受けた。……一命は取り止めたけど。
もう、僅かな時間しか残されていない。こうして君と話せるのも最後だ。
ああ、姉さんが……、メアリーアンが待っているよ。」
「……待って!まだ!」
「ああ、姉さんの話。しなきゃだね、こうなった僕をみて言ったんだ。
『……よくがんばったね。今度は私がアリスを守るから、きっと生きて!』そういって、今の状態になった。
君は守られているんだよ?愛されているんだよ?……だから、忘れないで。僕らがいたことを。
……ごめんね、最初からこうすればルイスを失わずにすんだのに。」
僕は少しずつ意識が薄れていくのを感じていた。
「………じゃないの?」
「…え?」
「バッカじゃないの?!それで終わるつもり?!待ってなさい!さっさと戻して!このままじゃ赦さないんだから!いい逃げするつもりなわけ?!」
「いい逃げしてるわけじゃ……、本当に……。」
「はぁ?!現状説明だけして、僕が死んだから償いは完了です、みたいなこと言ってんじゃないわよ!バカよ!バカバカ!」
僕らの視界がボヤける。何かが変わる気がした。
いや、アリスが変えるのだ……。
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