ゲームが好きなので、物凄く楽しめました。「バッテリーバックアップ」は、古いゲームのセーブデータを見てプレイ当時の思い出に浸る話ですが、私はメチャクチャ共感出来ました。「リセット」のラストは、こういう人が実在してそうで、笑えるのに笑えない感じが非常に良かったです。
様々な人間の個性を、テレビゲームやビデオゲームを題材にして表現する短編集。ですます調で構成されている文章は、子供の作文のよう、読み手に疲労感を与える。それは読み手の想像力に任して書いてる部分が多いからだと思う。しかし、この作品は『あえて』ですます調を強調し、あたかも子供の日記を読んでいる風に見せて書いてる様に思えた。文章力が有る為、簡単に周囲の様子も想像出来る。そして友達とゲームをプレイしていて、楽しかった思い出も、喧嘩した思い出を鮮明に思い出せた。子供の頃を思いながら読める作品。
久々に笑った、と思ったら後半は泣ける展開で、楽しい読書ができました。中学生のころの独特の倦怠感や笑いどころが良く描かれていて、個人的にはこういう短編はとても好きです。
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