第2話 ウイ・イレ
「どうぞどうぞ。上がってくれぃ」
というから僕はおじゃましますと上がったけれど、
そこはルパンの家ではなかった。
ルパンの後輩の家であった。
後輩に会釈。
後輩も僕に会釈。
なお、ルパンとはあだ名である。
ウイニングイレブンの対戦が始まる所だった。
ルパン対後輩。
ルパンは最強クラスのチームであるブラジル。
後輩は再弱クラスのチームであるタイ。
ブラジルのキックオフで試合が始まった。
ルパンはセンターサークルの辺りからすぐにシュートを撃った。
遠すぎる。
タイのゴールキーパーがキャッチし、タイボールとなった。
後輩は細かいパスを繋ぎ、強豪国ブラジルを翻弄。
ついにキーパーと一対一になった。
キーパーが飛び出す。
それをタイのフォワードが、キックフェイントで交わした。
無人のゴール。
後輩がシュートボタンをちょんと触る。
右肩の動きでそれがわかる。
パスより弱い勢いで転がるボール。
ゴール!
後輩は申し訳ないという表情。
ガチャ。
リセットボタンを叩く音。
「はい!終了!没収試合ぃー!」
ルパンはゲームを強制終了した。
ふと見ると、ルパンは靴を履いたまま。
彼は、土足で後輩の部屋に上がりこんでいた。
これから三人でナンパに行く予定である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます