小説にしても、映画にしても、漫画、アニメ、音楽……
趣味、趣向に通じているものに、正解はない。
千差万別の好みがあり、他者がそれを否定する権利はない。
しかし、である。
それはあくまで一般の読者であったり、客であったり、ユーザーの話であることを私たちは認識しなくてはいけない。
好みは良い。
好き嫌いは当然あって、それはもちろん、否定することは出来ず、するべきではない。
だが、『好み』と『価値』は、違う。
クリエイターにとって、『好き』というのと、『評価』することは異なることだ。
作品はどうしても優劣が付けられ、良作、駄作は確実に存在する。
駄作を『好き』というのは構わないが、良作だと『評価』するのは決してやってはいけないことだ。
まぁ、評価するのは勝手だが、誤った判断、評価は自分自身の価値を危うくするのだ。
明かな駄作を高評価している作家の作品は、少なくとも、間違いない作品をしっかりと評価している作家には信頼性で劣る。
つまり、そういうこと。
なので、私は常に「『××(作品名)』は、ココとココとココがダメだけど、この部分が個人的に好き」という言い方をする。
「一般的にはダメなのは分かっているけど、私は好きです」
ここをしっかり言わないと信用が下がる。