思春期や青春時代に読んだ小説というのは、価値観に大きく影響を与え、おそらくその当時が確実に衝撃を受けた……はずだ。
しかし、それは知識や経験が圧倒的に不足している状態で読むからそう感じるのであって、それが何年経っても名作や傑作であるとは限らない。
事実、私の青春時代にドはまりした作家先生が何人かいる。
その恋愛作家の作品はほぼ全部読み漁ったし、きっと今恋愛小説を書くとなると、どうしてもその方の作風に影響されている部分はあると思う。
そのホラー作家の作品もやっぱり殆ど読み漁り、同じようにホラーやミステリーを書くとなると、その人をリスペクトした切り口の作品になってしまうだろう。
だが――。
今、それらの作品を読み直すと、恋愛小説の方は、イマイチな感覚を抱いてしまう。
一方、ホラー小説の方は、今読み返してみても、自分が絶対に勝てないと思えるほどに傑作だと感じる。
読み手である私の技量か、精神的な成長なのか……。
応えは分からないが、かつてハマった恋愛小説を読み返して、同じような切なさや感動を味わえないのは、少し悲しい。
因みに、当時も感動したが、十数年ぶりにプレイしたFFXは同じように感動した。
FF7も、FF9も、今やっても泣ける。
……ン?ジャンルの問題?
いやいや……w