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二流シナリオライターのぼやき:1

 私は現在、フリーランスのシナリオライターをしている。
 メインはゲームのシナリオライティングで、ドラマCDのテキスト作成や、担当ゲームが小説化、コミック化した時のテキスト作成、youtubeの動画脚本なども手掛けている訳だが――。
 無論、二流ライターというにふさわしく(?)有名タイトルのゲームを手掛けている訳ではない。
 一世代も二世代も前のソーシャルゲームがメインで、その殆どがサービスを終了しているか、終了に向かっている。
 つまり、滅びゆくコンテンツを作っているという訳だ。
 私の代表作と言えば、悲しいかな、成人向けソーシャルゲーム『ドキドキ★病んでミック』と書かざるを得ない。
 私はこの作品でライターとして抜擢され、メインライターを務めたことで、この業界に入ることができたのだ。
 それまでは、小説家を目指していた私は、アルバイトをしながら小説を書いては賞に応募して……ということを繰り返していた。
 過去に二度、私は賞を受賞している。
 どちらも、製本化されない、つまりはプロ小説家としてはデビューできない賞であった訳だが、まぁ、どんな賞でも頂けているということは、『それなり』に……いや、僅かにではあるが、才能がなくもない、のだろう。
 あ……私の才能の有無はどうでもよいか。
 とにかく小説家を目指しつつも、アルバイトの方で仕事を評価されて出世してしまったりして、目先の時給アップや生活の安定に目がくらんで、なかなかストイックに執筆できない期間が、数年あったのも事実だ。
 丁度、ゲーム会社に誘われたタイミングが、カフェバイトでコーヒーの専門家になった私が、調子こいて自家焙煎のコーヒー豆&カフェスタンドという個人店を出店して、売り上げが上がらず半年あまりで生活苦で無一文となり、途方にくれていた時だったこともあって、良いも悪いもなく、その話を受けたのだ。
 そこからはがむしゃらに、与えられる仕事を、可能な限り全力で取り組み、ユーザーにもそれなりに評価してもらう作品を作れたとは思う。
 だが――。
 どんなに感動するストーリーを作成したとしても、大前提がB級アダルトゲーム。
 かつて一世を風靡した『泣きゲー』と呼ばれる名作たちとは、ジャンルも規模も、クオリティも足元にも及ばないゲームの現状に嘆きを感じざるを得ないのだ。
 つまり何が言いたいのかと言うと……
あれ?何が言いたいのだろう?
 ……ああ、ええと、そうだ。
 一先ず、そんな感じだから、私はあくまで『二流』シナリオライターなのだということだ。

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