良い小説とは、読んだ後に感情を揺さぶる作品である。
こうして書いてしまうと、なんだかチープな格言のように見えてしまうが、
揺さぶる、と言っても色々ある。
その小説を読んで、楽しかった、面白かった、ドキドキした……
これが、実に表面的な小説。
その小説を読んで、気分やテンションが上がった、希望が見えた、人生観が変わった、気持ちが悪くなった、嫌な感じがした……
これが、真に心を揺さぶる小説。
それでは、世の中の小説の中にいくつ、後者と呼べるものがあるだろうか。
私はいつか、良くも悪くも、感情や価値観に干渉するような小説を書きたい。