白河夜船

永尾鳥は、その名の通りに尾羽が換羽しないまま永く伸び続ける人鳥だ。尾羽は長ければ長いほど良いとされ、鳥飼いたちは競って改良を続けた歴史があった。

「あの世が見える棺に入って、見えたものを教えてください」 　その仕事を境に、探偵・丹村乗は奇怪な出来事に襲われる。依頼人の失踪、記憶の食い違い、連続する悪夢、自らを蝕む狂気。 　…

「第一回NTR小説フェスタ」によせて書きました。

服役中の兄が死んだ。遺骨を引き取りにアメリカから帰国した弟は、墓地へ向かうタクシーの中で、兄との記憶を呼び覚ます。 柴田恭太朗様の自主企画【三題噺 #21】「記憶」「スイカ」「…

ある姉弟の祝福と惜別の物語。

『【三題噺 #34】「釣り」「フルーツ」「雑誌」』によせて書きました。

友人の娘を育てる男の話です

私の全てを呑み込む、憎たらしい女。

Oは倦んでいる。

自ら作りあげた密室で“私”はひたすらに祈りを捧げる。 痛みに悶え朦朧とする意識の中で、この世界を表す神話と歴史を紐解く。 果たして“私”に救いはあるのか。 　　　　　 【偽教授神…

因習村座敷牢人外青年祭、参加作品。 兄弟ＢＬです。性描写あり。 https://kakuyomu.jp/user_events/16817330664068361209

女学生の恋

幼い頃、よく祖母が聞かせてくれた詩がありました。

その場所には、学校の裏手にひろがる雑木林をつかうことにしました。 なにもない土のうえに境界をひいて“インシュウムラ”を定めます。 “インシュウムラ”のまんなかに、四角いヤシロを定…

　ハハハ。そんなに怖がるコタアないよ。マアもっとコッチへ来たまえ。サアサア、一杯。安い酒だがね。……どうだい、美味いもんだろう。僕も昨日初めて飲んだのだがね、イヤこの値段でこの味…

　化物も幽霊も出てきません。 　超常現象も起きません。 　一番怖ろしいものは、生来、心の奥底に潜ませてあるのです。 【注意】 　虫などのグロテスクな描写が苦手な方は、どうか、…

或る鏡が苦手な女の話

その禁破るべからず。

髪はなんぼ長くてもええですからね　因習村成分は低めです、すみません

囚われの獣に魅入られた青年の話

きっと、あれが過ぎるのです ―― 例えば、あなたのそばを 何かが妙に食い違ってしまったような、そんなこともあるでしょう？ 無いなどとは、仰せなさいますな 一粒一粒の異世界によ…

幼馴染のお小夜が、首を吊った。

なにか書きたかったので書きました。

『飴玉』、『煙草』に続く第三作です。 意味がわかると怖い話です。

兄から電話がかかってくる弟の話。短い。ホラーです。

自主企画「因習村座敷牢人外青年祭」に参加させて頂きます。 酷い因習の村に、酷い座敷牢があって、酷い青年が入っていたりいなかったりするお話です。 一応でレイティングをつけますが、そ…

死んだ祖父をピザにして弔う話。 祖父は、自分が死んだらピザになることを選んだ。 「切り分け」には参加しないと言い張った中学生の私は、手違いで参加することになってしまう。 ピザと…

これは乙姫に支配されている竜宮城、そこで働く海の生き物たちの、生きた心地のしない物語。 そして、最後に太郎と乙姫は—――

近衛大将である翁は帝に連れられて龍が住まう巣窟へと向かう。 そこで、壮絶な戦いが繰り広げられることとなった。 本作、以下二作のクロスオーバー+スピンオフとなります。 竹取物語 …

いきなり現れた、指に包帯を巻いた女性。 彼女が手を伸ばしてきた時、彼もまた手を伸ばす。 そして―――自分の指が１本足りない事に気付く。 幸い、指はすぐに“復活”するが…… それか…

仕事帰りの”俺”は夜遅くに牛丼屋で食事をとることにした。

コロといっしょに、今日も町へ散歩に出かける。 でも、そいつらは突然に、あたしとコロの前にたちふさがったんだ ―――。 柴田恭太朗様主催の『カクヨムに三題噺を復活させよう！プロジ…

白い牡丹が庭一面に咲き乱れていた。

男は語る。とうとうと語る。血に酔い、血に溺れた者共の破滅について。捧げられた血の犠牲について。 因習村座敷牢人外青年祭参加作品。

自主企画「因習村座敷牢人外青年祭」に参加しました。 全て終わったあとの因習村だった土地に、度胸試しだと乗り込んだ若者たちの話です。

つくもせんぺいです。 出会っていただきありがとうございます。 鳥尾巻 様 自主企画 【瓶の中の手記】に寄せた一編。 ジャンルはホラーにしましたが、描写自体はライトな雰囲気だと…

　彼の名前は鈴木一郎。カクヨムのBL小説の登場人物で攻めである。彼は地の文が読めるタイプの登場人物なので攻めの自覚もあるし、なんならタイトルも読める。 　受けを探しに因習村まで来…

原稿用紙4枚。 「蝋燭」というお題を元にした作品。小川未明の「赤い蝋燭と人魚」を下敷きにしています。

土建屋さんなら知っている。工事と海にまつわる怪談。2023年「ご当地怪談」への書き下ろし。

因習村人外青年祭参加作品です。 時の止まった「にいさま」と呼ばれるなにかを成長してしまう僕が葬る話です。

Twitter(現X)で書いていた短文を加筆修正したものです。

「因習村座敷牢人外青年祭」によせて書きました。ジャンル迷子になりました。

幽霊も血もでてこないタイプの怪談です。

旧友に誘われて出掛けた、リゾートというには寂れた雰囲気の海辺。ホテルの宿泊客には土曜の夜にだけ特別な“お楽しみ”がある。但し、新月の晩を除く。異様なナイトアクアリウム探訪がもたら…

その家には地下牢と拷問室があり、一人の青年が「練習台」としてつながれていた。 家に連綿と受け継がれたその「兄さん」と「俺」の関係とは。

日々起こる些細な出来事に、思うこと。一話完結ですので、どこからでもお読みください。 ※2022/8/31 諸事情により、第7話「冬休み」を一旦非公開にしました。 ご覧くださった…

―田岡の者は死んだら一部をお山に返す。 古い慣習を嗤い、全ての物を古臭いと切って捨てた父は山の祠の前で息絶えていた。 一族の古い慣習を託された娘は父の骨を胸に、山へと分け入る。…

石川県金沢市の墓参りに関する独特の風習、キリコに関する話です。

なにかの下書きの中から見つけて、好きな雰囲気だったのでサルベージしました。