心身の飢えのもとめるままに、自在に暴れる山と海の荒ぶる神々。それに屈し、かりそめの安寧をもとめあがく弱い人間。その対比が形づくる、残酷で、美麗で、優雅ですらある月下の乱舞。
読前にタグを見たわたくし「な?」一話を読んだわたくし「ん?」二話を読んだわたくし「でぇ?」読み終えてもう一回タグを見たわたくし「……間違いは、ないなあ」隠し味にジャンクとサメの風味が漂いますが、内容は正統派な、バターも砂糖もしっかり使ったタイプの、おいしいけどずっしり満足感なお味です。
一言で言うと面白いので本当に読んだ方がいい、になります。特にサメ映画やz級映画、ゴジラキングオブモンスターズ的な怪獣映画がお好きな方には垂涎もの。重い雰囲気の文体も素晴らしく、まさかこういう方向にいくとは! と膝を打ちました。因習村や座敷牢に囚われし人外青年のキャラクター性も抜群です。面白かった…………。