お骨返しの日に

作者 ぱのすけ

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★★★ Excellent!!!

「お骨返し」
それは、田岡家の者が死んだ時に、山の祠に骨の一部を納めに行く儀式。

「お骨」を「返す」。だから「お骨返し」だ。

謂れも由来も何も知らない。ただ昔から田岡家の者は骨の一部をお山に返す……。
30年ぶりに、「お骨返し」をすることになった主人公は、祠を目指し、鬱蒼とした山を登ってゆく。

ホラーだよっ!
怖いよぉ。
夜中に一人で読むのはオススメしません。鳥肌たっちゃうよ。ぶるぶるぶる……。

面白くって、ゾクゾクするホラーが読みたい、そこのあなた!
ぜひご一読を!

★★★ Excellent!!!

事の始まりは、主人公の父が亡くなったところから始まる。
珍しい風習を持つ主人公の家は、亡くなった家族の遺骨を石室へ戻す“お骨返し”という儀式を行わねばならない。
しかし何よりも異なことに、父はおかしな亡くなりかたをしていたのだ。件の石室の前で倒れていた父の口に、いっぱいに詰められた葉や土くれ。
そんな物を詰め込む理由とはなんであろうか。まさか、空腹だったなどということはあるまいが。
我々に想像などできる筈もない。科学の時代を生き、死に至るまでの空腹などとは遥かに無縁の我々などには。