概要
2000字の和風ホラー
その禁破るべからず。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!語りに引き込まれ、そして後半でどっと落とし込まれる
語り口が実に和風ホラーらしい、重厚でじわじわと忍び寄ってくるような雰囲気を感じます。
それが実に引き込まれる。
ですから、気が付かないうちにそのまま戻れないところまで引き込まれてしまい、気付いた時にはドスッと落ちてしまう。
もう、そこからは実に展開が早い。
転げるわけでも、まして捲し立てられているわけでもなく、切々と同じように語られているのに、落ちていくという感覚だけがジトッと付きまとうのです。
そして……唐突に着地。
しかもその収まりが実にきれい。
短編ホラーかくあるべき、と感じさせる一作です。
是非ともお読みいただき、その最後の言葉を目にして、話の美味さに膝を叩いてください。 - ★★★ Excellent!!!渾天に重ね行き交う運命の不思議な輪。
蔵の中には決して一人で入ってはならぬと言い含められていた。中にあるのはきっと
瓦落多ばかりと断じていたが。
私の宝物、みせてあげましょうか。
怜悧な瞳に剽軽な笑みを載せ少女が言う。
そこには人などいない筈の白亜の蔵の、
薄暗闇の中から、持ち出したものは
『渾天儀』
それはこの世の外を見る事が出来る
魔道具だという。まるでお伽噺か活劇か。
目眩く美しい、不思議な世界。それは
次第に凄みを帯びて行き…。
和の香りの中に魔術の道具が、そして
夢幻の世界を彷徨いながらも現実と未来を
直視させられる。渾天儀を 宝物 と
言う少女は何者なのか。そして腕白で名を
馳せていた少年の目に映っ…続きを読む