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小説を読む前に、まず「エメラルドギロチン」というタイトルに目が留まった。 「エメラルド」と「ギロチン」という言葉の並びには、詩がある。 この『エメラルドギロチン』という小説は、タイ…続きを読む

なんだかとっても綺麗な文章で、呪詛や汚濁や諦観をまきちらかす。 キャッチコピーに思いっきり「真面目です」と書いてあるが、この小説の文章には、いつもいくらかの笑いが含まれている。 そ…続きを読む

平凡な大学生である主人公の次郎には、御子という名の超絶美人の先輩がいる。 入学してからの大学のミスコンをすべて制覇しているような美人だ。 そんな美人な先輩が、平凡な次郎に惚れまくっ…続きを読む

哲学的省察が非常に明快であり、そこが気持ちいい。 論理の扱いにある程度長けていないと、ここまで要を得て簡潔に表現するのは難しいと思ったが、作者が高校生であると知った時に驚いた。 …続きを読む

何かをしたわけでもないのに勝手に悟って倦んでいる高校生、柳田國広が、ある日唐突に一冊の魔導書を手に入れるところから物語は始まる。 魔導書を使って異世界に転移した國広は、そこで出会っ…続きを読む

「普通」や「日常」と、それに対比される「不思議」に強くこだわる作品。 そこで描かれるのは学校生活は、ほとんど「書く価値無し」と断罪されるかのように、「普通」という一言で片づけられて…続きを読む

面白い仕掛けをたくさんほどこしてくれているのだとは思うが、そこまでたどり着けないのが残念だ。 ユニークな表現や文章は、それはそれで面白いのだけど、作品の理解の妨げになってしまうのは…続きを読む

この作品には、一貫して「人生をばかばかしいものとして扱う態度」があって、そこが気持ちいい。 そしてばかばかしいものなのだけど、人生には危険なことが次々起こるから、仕方がないので主人…続きを読む

もはや美しいまでに異端です。 「この人何言ってんだろう」、と思います。 筋書きも破天荒だし、背景も破天荒だし、それでそういう雰囲気に持っていく？みたいなトリッキーな純愛の小道具とか…続きを読む

「一緒に走ったら笑い合えた」、という話。 体をよく動かすことで、誰かが自分より運動が得意だとか、自分より人気があるんじゃないかとか、そういうことを気にせずに済むかもしれない。 そう…続きを読む

ディアスとカーディルの二人きりの世界は純粋で、それでいて痛みに満ちている。 まるで鬼束ちひろや尾崎豊の痛々しく美しいラブソングのように。 パンドラの箱からあふれ出た絶望に満たされた…続きを読む

小学4年生だった当時を振り返りながら語られるこの『空蝉（うつせみ）』という物語は、その語り口の魅力だけで、物語を読む楽しさを教えてくれる。 小学校4年生の主人公の視点に徹底的に寄り…続きを読む

わがままな人間は、大人が飛び越えない何かをふと飛び越えて、あやういところに行ってしまうかもしれない。 この世の中にまだ染まりきっていない、不安定な何かを、ふと思い出した。 不思議と…続きを読む

一方的な恋愛を強いられているという点ではHY的であり、2人以外のことには興味がないという点では鬼束ちひろ的であり、妄想の世界の出来事のように思える点ではback number的だと…続きを読む

まずこの小説の主人公はとてつもなく自己評価が低いのですが、それにもかかわらず非常に行動力がある。 そのおかげで、見事になにがしかの「結果」をつかみとるわけです。 これが一番偉い。 …続きを読む