概要
君を待ってもどうしようもないのに
身勝手な相手に振り回されてばかりの僕。今日もひとり待ちぼうけを食らっている。今日こそ歯向かってやる。そう思いながら、なんでかずっと君を待ってしまっている。
ロマンチックな展開はなく、ただ人ひとりを待つだけのお話。
ロマンチックな展開はなく、ただ人ひとりを待つだけのお話。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!薄明かりの中でこそ、浮かび上がる情景。
一本の街灯のみが標になる風景、恐らくはさほど雪の降らない、田舎の何処か。我々に与えられた物語のピースは、せいぜいがそのくらいである。映画やアニメのように都合よく星は瞬かず、ここぞとばかりに雪は降らず、ロマンティックの欠片も無い光景は、だから日常だ。蛍光灯から離れた所に立つ、顔も分からない「あいつ」に、読み手は読み手の「あいつ」を重ねて、あの日あの場所であった出来事に想いを馳せる。余分な情報を削ぎ落としたがゆえに浮かび上がる鮮明なイメージは、短篇ならではの妙味ではなかろうか。なお。こんな事を書いている本人は、待ち合わせに小半刻は遅れる常習犯である。前回のコミティアでは(サークル主なのに)五時間…続きを読む