こんな風に書いてみたい。そう感じる物語です。
以前読ませていただいた他の作品のコメントで槙野さんが「私は元々カッチカチの文章を書く人です」(意訳)とおっしゃっているのを拝見しました。その言葉からこの物語を眺めるとすごいことをしているなと感じます。
「元々」からわかるように、最近のファンの人が驚くことからもわかるように、柔らかい読み易い文章をもうすっかり習得されていますよね。でもその上で生来の硬さのある自分のステップを踏んでます。書きたいこと、好きな書き方。もちろん柔らかさも知った上で。これが良いです。
キレッキレ。硬さと柔らかさ、緩急。比喩や意味の繋がりが踊ってます。だけど等身大の主人公が、ただの大学生が踊ってます。だからめっちゃ良かった。こんなのもう、何を書いてもいいじゃないですか。これが出来るなら本当に星一つのB級脚本だって、気持ちが乗れば満天星五つにできてしまうってことですよ。
おすすめです。