中学生時代の私の黒歴史を思い出すレベルでとても共感した作品でした。
描写がとてもリアルな恋物語なんですよ、卑屈な自己評価が最底辺な主人公がクラスのマドンナとデートするシーンなんかはもうたまらないほど「ああ、それわかるわー」と、思わず頷くほど。
何だかんだでハッピーエンドで終わるんだろうなーとか思っていたけれど、そうではないところがまたこの作品の魅力。
文章の書き方がまた卑屈なんですよね、主人公の心の文章って感じで(笑)
欲を言えば、マドンナ目線で何故主人公とデートをしようと思ったのか。きっかけやその時の気持ちをサイドストーリーで書いてくれるとまた違った目線で見れると思いました。
ああ、でもわかるよ!!主人公君!!
その黒歴史は必ず次に繋がるから頑張ろう!!って直接言いたいです!!
主人公君に祝福あれ!!
この作品は、何処にでもいる、自己評価の低い少年と、彼が憧れる少女とのたった一度のデートを描いた物語である。
都度、「ヘドロのよう」と評価する、卑屈な態度の主人公の視点で、物語は語られる。主人公は卑屈ながら、憧れの少女にデートを申し込むのだが―――。
題材は普通。人物も飛び抜けて特徴はない。しかし、この普通の主人公たちを、細やかな表現で描いており、時折その文章にハッとします。
彼女の髪から匂いたつ瞬間。
自転車を置いて、彼女と電車に乗り込んだ事。
細やかな心理描写が描かれていると思いました。
技術的には荒削りですが、作者には魅力と可能性があると感じました。
安易にハッピーエンドにしないところも、リアリティーがあります。続編ではどのように主人公が成長するのか、非常に楽しみです。
是非これから読む方は、流し見ではなく、じっくり落ち着いて読んでほしい小説です。
まずこの小説の主人公はとてつもなく自己評価が低いのですが、それにもかかわらず非常に行動力がある。
そのおかげで、見事になにがしかの「結果」をつかみとるわけです。
これが一番偉い。
告白すらされずに消えていった恋がどれほど多いことか…。
妙に反知性的な主人公でありながら、しかし状況分析や表現の仕方が非常に上手い。
このズレもまた、面白いところだと思いました。
まぁそういう理屈はさておき、久しぶりに、お互いの気持ちの見通しもあいまいなまま、誰かにぶつかっていくドキドキを感じました。
こんな行動力のある10代であれたらよかったなと思いました。
しかし大切なことはやはり対面で伝えるところに醍醐味があるのにな、とは、彼女の指摘を受ける前から、僕も思いました。