主人公の次郎君は大学の先輩の御子さんに振り回される気の毒な男子。家に押しかけられ、一緒にゲームをやれと強制され、泊まってくからとベットを占領され、あまつさえ一緒に寝れば?と迷惑かけられうんざり……どこが気の毒だぁぁああ!!羨ましけしからんだけだぁあああ!!
と、どう見ても好感度カンストの先輩から執拗に狙われてる次郎君ですが、彼は自分が好かれてるなどまったく思わず、むしろ先輩めんどくせ状態。このすれ違いがとあるゲームの勝敗から変わっていきます。
本作はまず先輩可愛い。そしてキャラが強い。自己中わがまま自信家で、けど寂しがり屋で甘えん坊で次郎君にしか隙を見せないとかなにこの生き物?ニヤニヤを量産する新種なの?
二人のやりとりは軽快かつどこかズレていてとにかく面白い。
彼自身はどこか草食系男子で、性欲は人並みにあっても迂闊に手出しはしないし立場とか倫理観を守る真っ当さを持ちます。なのでぶっ飛んでる先輩に苦労するわけですが、先輩としてもまったく誘惑に乗ってこない後輩にやきもき。このギャップがたまらない。
のっけから次郎君大好き状態の先輩と、綺麗でスタイル良く皆の憧れの先輩なのに苦手な次郎君。
なんで?普通好意を喜ぶよね?と疑問視しながら読んでいましたが、理由は読み進めればきちんと書かれています。そして次郎君に惚れるのも当然だなと納得できます。
後は二人の惚気をノンストップで眺めるだけ、考えるな感じろ。
さぁわがままで可愛さ抜群の先輩に振り回される次郎君を皆で愛でよう!
我儘の強い先輩と、それに付き合わされる主人公。先輩のことを苦手としているけれど、ある日の出来事を切っ掛けに大きく気持ちが変化していく―――?
事ある毎に不安を消そうと(性的な意味で)襲ってくる先輩!それに恐怖しながらも、拒絶することが出来ない主人公。その気持ちは、先輩の弱い部分を見て、そして生活していくうちに―――
何時しか彼は、先輩を襲う側になるのか。それとも襲われるのか。
なんてかっこよく書きましたけど、結局独占欲が強過ぎるけど、弱い先輩に好かれまくる男子の恋愛小説!
是非とも変化していく彼の心にキュンとさせられ、彼女の不安に保護欲を掻き立てられてください!