概要
君は、何になりたい?
三角コーナーになりたい私は、ある日自宅の三角コーナーから、全宇宙の三角コーナーを一所に集めることで出現するという三角コーナーのイデアに接続すれば、三角コーナーになれる、と告げられる。三角コーナーを買い占め、各家庭の三角コーナーを或いは買い取り、或いは貰い受け、或いは盗み出す日々。そんな中、私は三角コーナーが既に地球と言う一所に集まっていることに気付く。即ち地球こそ三角コーナーのイデアである、と。であれば自身は地球の生態系の中にあり、三角コーナーのイデアと一体であるのだから、自身が三角コーナーであると思えるはず。であるにも関わらずそうではない。その理由を考察していく中で、私は遂に一つの結論に達する――
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- ★★★ Excellent!!!あるいは三角コーナーと私
哲学的省察が非常に明快であり、そこが気持ちいい。
論理の扱いにある程度長けていないと、ここまで要を得て簡潔に表現するのは難しいと思ったが、作者が高校生であると知った時に驚いた。
本編は上記内容が戯曲形式で展開される。
そこで提示される会話の中身と、哲学的気づきは、非常にすっきりとして明快である。
ただ、その哲学的発見は、三角コーナー以外のあらゆるものにも、まったく同様に援用可能だ。
とすれば、これから始まる「私(主人公)」の旅は、「なぜそれが三角コーナーだったのか」を探る旅でなければならないだろう。
それを見出した時、そこに芸術にしかなしえない感動があるのではないかと思う。