哲学的省察が非常に明快であり、そこが気持ちいい。
論理の扱いにある程度長けていないと、ここまで要を得て簡潔に表現するのは難しいと思ったが、作者が高校生であると知った時に驚いた。
本編は上記内容が戯曲形式で展開される。
そこで提示される会話の中身と、哲学的気づきは、非常にすっきりとして明快である。
ただ、その哲学的発見は、三角コーナー以外のあらゆるものにも、まったく同様に援用可能だ。
とすれば、これから始まる「私(主人公)」の旅は、「なぜそれが三角コーナーだったのか」を探る旅でなければならないだろう。
それを見出した時、そこに芸術にしかなしえない感動があるのではないかと思う。