デッドコピーたこはち

20XX年、アジア全土を巻き込んだ戦争は疲弊した大国の崩壊と人口の大移動を招いた。舞台は辛くも戦火を免れた極東の某国、そこに生きる二人の物語。

　世界ってのは言葉で出来ているけど世界を説明するには言葉を扱う人間の技術ってのは乏しくて、あるいはまだ言葉が十分に成長を仕切っていなくてさまざまなものの説明を上手く出来るわけじゃ…

短編を書くかもしれないし書かないかもしれない。

「殺伐感情戦線」の「天使（リバイバル）」参加作品です 旧校舎でラッパを吹き鳴らす音。静かな図書室まで響いてくるその音にいらいらしていた七海は、そのたびに文句を言いに行くのだが……

気まぐれでファミレスで起きたケンカを仲裁したヨウコはその女に付きまとわれるようになってしまった。名乗りもしないその女をヨウコはネコと呼ぶようにして、仕方なく同居生活を始める。しか…

「人の子は今日、待ち人と出会えんかもしれん」――夏休みを利用し、年上の友人である蓮花のもとを訪ねた暁更紗は、駅で出会った黒尽くめの男にそう告げられる。路地で見かけた不思議な光に誘…

「殺伐感情戦線」の「情熱」参加作品です。 アトリエに引き込もり、寝食を忘れ創作に没頭するろーちゃんに差し入れを持っていく「わたし」。ところが、ろーちゃんはそんな彼女のことを……

いっさいの記憶も感覚も持たず、ただ思考としてのみ存在する「わたし」は、昏睡した少女の内部に発生した存在だった。自分の器としての肉体を見舞いに来る少女・詩織を観察しながら、長い長い…

遠い未来、すでにありとあらゆるSFは書き尽くされた。 作家が何を書いても、既に同じ発想で往年の文豪たちが傑作を書き上げている。 そんな20020年の世界で作家を目指す彼の苦闘を…

　殺し屋である彼女は、組織を裏切った相棒を追って、遠い町までやってきた。なぜ相棒はあんなことをしでかしたのか。彼女はそれを知ろうとするが……。 　殺伐感情戦線参加作品。はじめて…

【9/7完結】 地上の全てを焼き尽くした戦争《アトミック》。そこから再建された世界は、巨大都市・市《シティ》の当局によって支配されることになった。 そんな世界を「心理交流干渉士」…

此処は軌道エレベーター、静止軌道ステーション「ヘリオトロープ」。 わたしとザーリャは三万六千キロメートル先の地上に落ちる流星群を探す。 流れ星に願いを託すために。 三千字の短編…

　以前、某所に寄稿した掌編……掌編？　に若干手を加えたものです。読めばわかりますが、実質的に伊藤計劃ユニバースの二次創作となっております。『グローバルファイナンスと愛の園』『伊藤…

高度な魔法体系が構築され、300年に渡る泰平を謳歌してきた『王国』。 だが、隣国との戦いに暗雲が立ち込め、滅亡の足音が迫りつつあった。 王国屈指の才媛の呼び声高い魔法使いマリス…

　わたし、灰田遼は私立探偵だ。わたしにはいくつか決めているルールがある。客には愛想よく振る舞う。警察の領分は侵さない。必要もないのに銃は使わない。それから、殺しは絶対に請け負わな…

鬱蒼とした森に囲まれた泉に住む〈死せる魂〉たちは、名前も過去もない、きわめて曖昧な存在だった。古びた詩集を所有する少女はあるとき、自分より遥かに希薄な〈色のない少女〉と出会い、〈…

少女達の集団失踪。そして帰ってきた“四分の一”の少女。生き残り、地獄は終わった。けれども、それはまだ続いている。

かぐやSFコンテスト2落選供養

「ねえ、おねえちゃん。お願いがあるの」 　白いかんばせの少女はおもねるように甘えた。長過ぎる犬歯を自慢げに覗かせ、青褪めた唇をひずませる。 「おねえちゃんの、左腕をちょうだい…

「百年前の相互情報通信網《ネット》にも、小説交換所とかあったの！？」 「うん、『ウェブ小説サイト』って名前だったみたいだけど」 「蜘蛛の巣《ウェブ》」というのが良く分からないけど…

気分と時勢の流れの間、スクラップ置き場の如く存在する短文の一時処理場。 超不定期。なんなら気分で再利用。何でもありのガラクタ置き場。

1999年4月。閉店間際の喫茶店に現れた少年。“役目”を果たそうとする彼に、匿う女はとある想いを投げかける。ある春の宵を描く短編。

夏の山。晴れた空。青々とした水田。きらきらと光る小川のせせらぎ。夕立に降られ雨宿りをした古いバス停。いちめんのひまわり畑。白いワンピースの少女。いつか約束をしたあの場所。夏。

Twitterで発生した妖怪パンク世界観を基にした小説を置いていく場所です。 書いたそばから載せていきます。 世界観はゆるくつながっていますが、各話に関連はありません。 関連があ…

高層ビルの外壁に設置された垂直ゴンドラのオペレータ、クレアは自分の仕事を素晴らしいものと信じて日々頑張っていた。特に、彼女にとって特別な人に会える、その日には。 メトロポリタン…

　鈍い音がして、それから俺は気づく。また死体が落ちてきた。俺の目の前にはどこからから落下してきた死体があって、それに俺が気づかなかったのはボケっと俯きながら歩いていたからだ。 　…

この街では一年に数度「死者」が降る。それを窓辺で眺めつづける曾祖母が「私」にかたった、幼き日の彼女と親友の物語。企画「死体が降ってきたところから始まる短編」に寄せた作品。

10年間ずっとひとりで金庫番をしてきたロボットメイド。存在意義を求めて、彼女は自己複製に走る―――

気まぐれショートショート集はじめました。不定期更新（ごめんネ！）。ジャンルは特に定めずに、「ちょっと奇妙な物語」をコンセプトに書いていこうと思っています。そこのあなた、少しお時間…

呼び寄せた星を一年の護りとする儀式〈星呼びの儀〉に〈星呼び〉として参加することになったミーファ。しかし夜空に現れたのは、誰も予想しえなかった規模の巨星で――。降りそそぐ星と地表を…

街を取り巻く企業の陰謀、サイバー空間・電子ネコ大脱走、街角のホロ幽霊。 それらが関わりあったり、あわなかったり、ただただ胡乱で剣呑な街で、 サイバーパンクドタバタ百合SFコメディ…

23世紀。人口爆発に対処できなくなった人類は、効率的な食料供給を追い求めるあまり、食事という文化を解体した。料理という言葉の意味は、供給される栄養価を調整された無味無臭のキャンバ…

〈空魚〉と呼ばれる生物とともに、人々が空に浮かぶ島で暮らす世界。辺境の街で生まれたネアは、亡き母に教わった歌と物語を愛する少女だった。ある朝、その歌声に引き寄せられるように姿を現…

鉄の大型機械と複雑に構築された街がありふれた世界にて、一人の心が錆まみれの傭兵と一つの純粋で汚れなき心を持った鋼の機械が暮らす銃声と火薬と血がいつも漂う日常のほんの1ページ。 ア…

イメージスケッチみたいなものを載せていきます

5分で読めるショートショートです。 特撮物。暇つぶしにどうぞ。

1998年12月。誰も居ない浜辺。モノクロームの景色の中で、二人は出会った。とある冬の日々を描く短編。

【大学のサークルで提出するため、2020年1月頃に書いたものです】 　わたしは見つめている。 　心から愛した人が、怪物に貪り食われていく様を。全身を自らの血液で赤く染め上げ、地…

【大学のサークルで提出するため、2020年1月頃に書いたものです】 　”私”は進路希望調査票が書き終わらないまま、居残って頭を悩ませていた。友達が待っているにもかかわらず、考え…

　語り手である『私』と『溝口君』の物語が繰り返される掌編小説集です。 　だいたいどこから読んでも大丈夫です。

森に住まう少女のヴィサラとマグダレーナ。ふたりはお気に入りの泉を聖域を呼び、ともに特別な時間を過ごしていた。ある朝に現れた仔鹿を、マグダはテオドールと名付けて愛情を注ぎはじめる。…

配信者の感情。

暇な大学生・田村くんは、ある山にあるバス停で日付をまたぐと、鬼の隠れ里へ連れていかれるという都市伝説を耳にした。 面白半分でそのバス停に出かけた田村くんは、鬼ではなく奇妙でうる…

【TOBE工房：第66回「忘れ物」】 落選供養 　化学工場の事故による汚染で遺棄された故郷に帰る話。

【TOBE工房：第66回「忘れ物」】落選供養 「人生は、大海をちっぽけな船で漕いでいくようなものだと私は思うのだけど、どうかな」 　先輩は、《忘却の河》によって、不要なものを切…

　”蝶害”。蝶が舞う日。 　それは、20年前に北京で発生してから、定期的に起きる異常災害だ。 　”私”と先輩は同じ場所で暮らしながら、蝶の羽ばたきを聞いている。 「先輩は、蝶じ…

【AI装置】に目を向けるとSF 【失踪事件】に目を向けるとサスペンス 【3つの趣味】に目を向けるとミステリ 【キャラクター】に目を向けるとホラー …となっています。 お好きなジ…

『使用する兵器は有人機のみとする』長年にわたる戦争において、命の大切さを顧みるために締結された条約。けれど戦争は終わらなかった。そんな中で開発された“完全自動有人機”。そして一人…