概要
逆張りを、しない、やつなんて、クソだよ
世界ってのは言葉で出来ているけど世界を説明するには言葉を扱う人間の技術ってのは乏しくて、あるいはまだ言葉が十分に成長を仕切っていなくてさまざまなものの説明を上手く出来るわけじゃない。
『女』って言葉は今こうして知覚している『私』の知覚点ではない。
『西荻奈々子』という私の名前も今こうして知覚している『私』の知覚点ではない。
『学生』『女子学生』『彼女』『娘』『お姉ちゃん』なんて色々な言葉が当てられるけど今、ここにいる私の意識のようなものを十全に説明出来るなんてことはない。
言葉には射程範囲があるのだ。ここからここまでの意味を、存在を切り取って「こういうものとする」という言葉の射程範囲が。そして人間はそこに収まるほど単純でも不変でもない。
ところで『百合』って言葉で私と美月の関係は説明出来るんだってさ。
冗談じゃない。
『女』って言葉は今こうして知覚している『私』の知覚点ではない。
『西荻奈々子』という私の名前も今こうして知覚している『私』の知覚点ではない。
『学生』『女子学生』『彼女』『娘』『お姉ちゃん』なんて色々な言葉が当てられるけど今、ここにいる私の意識のようなものを十全に説明出来るなんてことはない。
言葉には射程範囲があるのだ。ここからここまでの意味を、存在を切り取って「こういうものとする」という言葉の射程範囲が。そして人間はそこに収まるほど単純でも不変でもない。
ところで『百合』って言葉で私と美月の関係は説明出来るんだってさ。
冗談じゃない。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!反逆する言葉たち
物語はある種の欲望を稼働するために書かれ、読まれる。少なくともその一面がある――といえば、真っ向から反対はしにくいだろうと思います。笑いたい、泣きたい、共感したい、感動したいといった「健常な」ものから、より後ろ暗い、なかなか大っぴらにはしにくいものまで、物語の周辺にはさまざまな欲望が飛び交っているものです。「女性どうしが殺伐とした感情を向け合うのを見たい」というのも、そうした欲望の一種でしょう。
ところでこの作品は、企画「殺伐感情戦線」に寄せられたものだという前提が存在します。いわゆる百合、なかでも殺伐とした関係性を扱う作品を募集する企画のために書かれ、投稿された一篇なのですから、そう…続きを読む