残り24時間、というところでまだ6000字残っていた時はだいぶ焦りもしたものの、どうにかこうにか、8万字達成。昨夜はぐっすり眠った(寝すぎた)ので、一夜明けてからの感想。
感想も何もまあ、書いた、やった、頑張った。それくらい。コンテストそのものに関しては、これといって何かあった訳でもないし傾向と対策も別に考えていなかったし、で。
全体的にずっと緊張感はあった。動き出す直前まで別のものやってたし……歴史背景とか魔法の設定をいろいろ考えていたものの、うまくサンプルが出来なかったりで。そこで時間食ったため、結局肝心のストーリーのストックがつくれず。
とにかく「1日1万字書ければなんとかなる」というボーダーまでは設定づくりに励み、いざ書き始める段階になると、まあいろいろ先の構想が怪しいから滑り出しが悪く。悪戦苦闘。魔術戦のシーンもだいぶアドリブだった。
なんとか3年前から構想自体はあった1章を終えて、まだ1万字近くも必要だと分かった時の絶望感。これ無理かもな、と思いつつ、投稿済みのエピソードの描写をいじるなどして書き増して、どうにかこうにか2章のあたりをつけて、締切前日には文字数達成、と。
だいぶ「流れ」というかアドリブで進めてきたものの、我ながらイイ感じに収まったような気はしている。
たとえば、2章の王室のシーン。気付いたら3000字オーバーしていたので分割していて、残りは次の話に持っていくことになるくらいには、流れで話が進んだ。
もともと、いかにもシリアスな感じの王様が「マジか」とかいうシーンの構想がかねてよりありけり。その前ぶりとして「マジか、とは誠かという意味合いの慣用句である」みたいな描写が3年前の時点から仕込まれている。
その回収のために王室を描くとして、じゃあどんなシーンになるか、と考えるとやっぱり1章の「起」を受けて、2章の「承」……1章で起こったことをリスト化して、それをうけての展開をいろいろ考えた結果、ああいうシーンに。まあまずは死皇帝の登場について論じるよなぁ、と。
この3年のあいだにもいろいろ設定がつくられていって、当初は「槍投げ」犯と、それを指示した「予言者」は共犯だったのだけど、アドリブで設けた聖教会上層部の会話シーンで、なんか不仲説が出てきてしまったものだから、槍投げ問題について再考する必要に迫られた結果……王様と、第一王子にそれを論じてもらうことになった。いろいろ書いてると、いろいろ浮かぶもんですね。
第一王子、というか「腹違いの兄」の設定は以前からあったものの……プロローグの順番を考えて、もともと第一王子だったリーオが第二王子に、と設定の変更などがあったり。アルヒナ、リーオ、フィセス、死皇帝の順でプロローグが描かれてるのに、旧あらすじだと第一王子リーオ、第二王女アルヒナ、第三位の聖女フィセス……となっていたので。分かりやすさを意識して。
いろいろ細かい変更が多々あった。あと、直前に「キングメイカー」やってたのもあり、フィセスをフィリスと書き間違えたりなどしていた。直したつもりだけど、直した先からやらかしてる恐れもある。
構想としては1章の魔術戦があって、その後の「夜」の出来事まではなんとなく浮かんでいた。ただし、具体的な内容までは決まっておらず。
とりあえずマナと神秘術について触れとくか、という安易な考えから「聖教会の恵み」回を拵えた。各エピソードのタイトルは特にひねったものではなく、機能的な意図からつけられております。「聖教会の恵み」回では、そのもの「聖教会がやってること、出来ること」を表しています。
魔術戦については設定こそいろいろ下準備していたものの、「具体的にどんな魔術が使われるか」みたいなことは決めていなかった。とりあえずシーンとしてやりたいのは、「敵の詠唱から魔術の内容を把握して、これに対する対抗魔法を用意する」という感じ。
状況設定をやってるあいだにふと、「畑」という字が目に留まる。「火」が部首に含まれてるなぁ、と。理由はだいたい察しがつくけどそれ自体はどうでもよくて。
世界設定的にいえば、畑の肥料、農薬には「マナ」が使われていて、「マナ」は一方で魔法の触媒でもある。となると、魔法を使ったら、その余波で畑も炎上しそうだなぁ、とか。
そこからなんとなく「火」に関する魔術を使っている、という線にいき……本当に流れで、収まりのよい感じにああいう内容になった。もともと「火葬」のくだりがあったのもある。過去のノートを探せば、死皇帝の使う呪文の一部がすでに記載されていたりする。
個人的にはこの魔術戦のあたりがいちばん良く出来た……雷霆からの火種、神の火を盗んだもの、とかいう、断片的にあったモチーフとかネタがそれぞれ収まるところに収まって、その後の展開を豊かにするものになったと思う。細かい描写とか、設定が固まるといろいろ変更が加わるかもしれないものの。
更新が止まっていた「暗雲」のシーン。序章に入る前の一場面ですが、その関係の設定面もこの3年のあいだにいろいろ考えが膨らんでいて。
まず、アンデッドが日中に動くためには空が曇っている方が好ましいし、突然空が暗くなるっていう演出も、脅威の登場に相応しい。そういう安易な考えからそういうシーンを描いていたものの、「具体的にどういう設定があってそうなったんだよ」という部分は深く考えていなかったのが、3年前。
とりあえず、「死皇帝は天候操作ができる」という仮案。
まあ、設定上、それが出来る土台はある。聖教の方にだが。あと、雨雲を発生させること自体は現実的に可能らしい?と知った。「K×K」の関連で某国の原発事故について調べてる中でそういう話があって。
しかし、死皇帝が「それ」を使えるとなると――あと、過去に紆余曲折あって、死皇帝が主人公という話を膨らませたこともあり、それらも影響して、「死皇帝が『雷霆』を手に入れることも可」という下地がつくられていった。
……まあ記録として、ネタバレすると、死皇帝は始まりの七人の王の「二代目」と「四代目」その人である、三代目の王は死皇帝が養子として迎えた人間だったが、これが暗殺された。……といった設定が、上述の紆余曲折した別ネタから逆輸入されたんですよね。
ちなみにこの「七人の王」はモチーフである古代ローマから。改めて確認してみると、三代目の王も雷に打たれて死んだとあったもので。
……初代国王ことロムルスもまた同じく。これ自体は既に作中で採用していたものの。
これらからつくっていくと、養子である三代目の暗殺に疑問を持った死皇帝が、四代目の王になり、聖教の暗部について調べていった結果……『雷霆』入手に至る、なので天候操作も出来る、という大まかな筋書が出来ていったのです。
こういう、断片的なアイディアが収まるところに収まっていって、設定が充実していく楽しみは、創作者にしか分からないものだと思います。……逆に、これこれこういう理由でこうなっているのだ、と作中で開示されていく、伏線が回収されていく楽しみを味わえるのは読者だけ、ですが。
モチーフの存在については再三触れていますが……。
この辺りもだいぶ混沌としております。
当初は「東側は改革派、西は保守派」とざっくり分けてたのですが、モチーフに触れるとそう単純にもいかないことに気付き。
あんまり固有名詞だすとあらぬところから怒られかねないのですが……。
まず、伝統ある宗教があって。それが腐敗していく訳です。そこからの改革として、原典に立ち返る「保守派」が生まれ、伝統的な方も改革されていく訳です。この時点で「どっちが改革派でどっちが保守なのか」というのもだいぶ怪しくなってくる……。
こっちのイメージと、話の展開的にこの方が都合がいい、というのもいろいろあって。だいぶ東西のイメージが錯綜したりなどした。
というか、そもそも東西ローマと宗教関連のあれこれは時代が違うし。アンデッドいるし。
それ以前に、大前提として、この世界観は「SFベース」なのですよ。
つまり、古代ローマも宗教改革も過去の出来事で、2000年代も通過して、SF的な絶頂を迎えた末に文明が崩壊、その後の地球に再構築された世界が、舞台。
そう考えると、あまりモチーフにこだわりすぎるのも、逆に不自然。歴史は繰り返すものですが、あまり忠実であるのもどうか。……いやまあ、「あえて歴史を繰り返させるように誘導できる存在」はいる訳ですが。
なのでまあ、収まるところに収まるような、都合の良いモチーフをうまく取り入れていくかたちで、あまり東西分裂については、モチーフにこだわりすぎないように意識してやっていくつもりです。
とはいえ、齟齬が生まれないよういろいろ気を遣う必要はある。
とりあえず、落ち着いたら既出の設定などをまとめて、整理しておく必要があるかな、とか。
全体的に見ると、けっこうイイ感じな1章、8万字になったかな、と思います。
自分の場合、デフォルト、テンプレとして、「全4章でひとまとまり」という考え方をしがちなのですが、前回のキンメ然り、3章くらいが収まりが良さそうに感じている今日この頃。4章にするなら2章にあたるところを分割する感じになるかな、と。
期間中、「起承転結なんて無駄」みたいな意見をエックスで見かけたのですが、個人的には発想の指針、構成の方針としてこれほど有用なのもないと実感した今回。
上述したように、2章以降は「1章を受けての反応」をもとに考えているので。まあ、捉え方の相違ですかね。
ともあれ、「始まり」として1章を考えた場合、主要人物も主要な設定も出そろって、続く2章の冒頭からは敵対者について触れていく感じになるので、イイ感じの流れになってるのでは、というのがこちらの感想です。
まあ、だいぶアドリブというか脱線というか……たとえば、「そういうことなのです」という台詞を書いちゃってから、「語尾なのです」というキャラがいてもいいかもな、という感じでルルベールなる人物が生まれました。元は予言者のひとり語りだったのですが。ともあれ。
2章の冒頭でその後の出来事に触れていたりするのですが、最近こういう「先出し」に面白さを見出してしまっているのが悪いところだという自覚はある。
元を辿れば「K×K」のプロローグ。そして「キングメイカー」ですよ。ある程度想定、構想はあるにしろ、そこに至るまでの紆余曲折を描くことに楽しさと難しさを感じている。見切り発車の悪い例ともいえなくもない。
特に今回の場合、「あくまでそういう予定、という予知」なのもあり、結果その通りにならなくてもいい、という自由さがあるのがだいぶ悪いところ。いくらでも嘘つける。
せっかく城塞都市という舞台設定があるから、今度は都市戦、市街地戦を描きたいのだが。敵対勢力が陣取ってるけど、東側の部隊がそこに到着するには物理的な無理があるし。一方的な虐殺になりそうな気もしている。
虐殺といえば、ギィエス・ハッキンブロール。最近まで存在を忘れていたのですが、もともと、「新生の夜」に立ち会うのはいいが殺される、という案があった。その後「第一眷属」になる、という。さらにその後のことは深く考えていなかったのだが、掘り下げるとアンデッド関係でいろいろ出てきて、個人的にファインプレーな感ある。あいつの過去話だけで1エピソード出来たし。
今後も活躍してもらおうと思う。「上位アンデッド」に関して、こいつでいろいろ表現できそう。「生前の先入観として、アンデッドは死皇帝の支配下にある」という認識があるが、実際のところはそうではない、という描写をするには、誰かしらその視点にいてくれた方が都合がいいので。キンメの設定ノートでも触れてますが、このあたりは「現実性」の問題ですよね。思い込みが可能性を狭めるのだ。
このまま「ひとまとまり」を締めくくるラスボスポジになりえそうだが、2章で死んでくれてもいいし、今後も敵対者してくれてもいい。とりあえず死ぬときのタイトルは「散華」になると思います。「懺悔」とかけて。懺悔するのかな。別に罪悪感も倫理観も持ってないしな……。「更改」でも、後悔も正直特にしてなかった気がするからまあいいか。
ともあれ、いろいろあって全体としての最終目的地は更新されたのですが、そのスケール感にちょっと尻込みしています。扱いきれるのかな、と。
既に起こったこと、歴史として「SF」をつくるのはいいのですが、先の展開、これからの話という点で扱うのはどうも苦手意識ある。
なんていうか「世界を救う」話っていうのは王道でありふれてるテーマなんですけど、実際やるとなるとこうもスケールでかいのかー、てなる。
キングメイカーはその点、ギリ「世界を救う」話ではないんですよね。あくまで現実的な妥協というか、ある意味ではご都合主義になりかねない。実際問題他にどうしようもない訳で。
一方でシナズの方は解決策がある、というか、それが実現できる下地が設定上ある。なにせSFを通過しているので。あと、キンメと違ってもう世界が致命的な状況でもあるから、このまま滅びるのが嫌ならやるしかないっていう問題もある。……そう考えると、予知者サイドの計画は保守的なんだなぁ。とか。いろいろ考えることがある。
敵サイドのキャッチコピーは、「世界を救おうと思っていた。だけど世界はとっくに救われていて、問題はこの安寧を、いかに永続させるかなのだ」
という感じです。
まあいろいろ構想はあるのだ。かたちになるのはいつになるかは知れないけども。
……こういう、何に縛られることなく適当に書くぶんには、いくらでも文字数出るんですけどね。
個人的に、「1話2000字として8万字まであと40話」と、「1話3000字だとするとざっくりあと27話」っていう違いはかなり大きいな、と今回感じた。残り話数が少ない方が安心感あるというか。話数で見がち。文字数、労力自体は同じなんですけども。やっぱり「1話1シーン」で考えると、どうも苦手意識あるなぁ、とか。この心労に耐えるのが読者のため、といわれれば、まあ頑張るしかないのかなぁ、とか。実際、文字数自体はおんなじやねんなあ……。気の持ちよう、あと締切の問題か……。
ともあれ、コンテストが終わったらまた次に取り掛からなければ。どっかで余裕見つけてキンメとかKKとかもやりたい。ほんと、気付けば締切一か月前とかになってるからな……。
ちなみに、「教導」とか「雷霆」ってフレーズは、某烙印からきていると思う。烙印っていうか教導のお姉さんの影響か。イメージが合って、いつの間にかそうなってた感じ。「御言葉」よりはそれっぽいかなぁって。