……キングメイカーってなんだ?
というのはさておき、「世界観」について。
設定とか考えよう、と考え始めると、いろいろ不具合が多いことに気付く。メモとか資料がごっちゃになりがち。この問題の原因は何かと考えた時、「世界観」というのを大雑把に捉えすぎているのではないか、と気付いた。
もうちょっと細分化できるのではないか。細かく定義できるんじゃないか。そうすればもうちょっとうまく整理できるようになるのでは、と。
という訳で、「世界観の設定」について考えてみる。誰かの何かの参考になれば良いよね。
ちなみに、今回は例題として「異世界ファンタジー」で考えるのですが、最近このジャンル分けの定義についてもいろいろと疑問が浮かびます。
たとえば、「和風ファンタジー」とは何か?
以前も取り上げた気がするんですけども、たとえば現代日本を舞台に陰陽術とか呪術とか使って戦っていたりする作品は、「和風ファンタジー」なのか? それとも「現代ファンタジー」? 別のカテゴライズをするなら「異能バトル」とかにもなりますが。
現代日本で、妖とかが出てくる作品は「和風」なのか、それとも「現代」なのか。
現代日本ベースだけどパラレル的な世界設定の場合は?
現代でなく江戸時代……明治とか大正時代で、鬼とかが出てきて、刀を使って戦う……とか、そういう作品は「和風ファンタジー」なのか? 少なくとも現代ではないが、現代と地続きになる世界観ではあるので異世界とも言い難い……。
既存の少年漫画作品をカクヨムのジャンルに当てはめようとした場合、こういう疑問点が出てくるわけです。既存の作品でなくても、そうした「ジャンル分けが難しい作品」というのはいろいろあると思います。
そういうのをより細かく分けるためにタグ設定というのがあるのだろうけど……やっぱ大枠のジャンル設定が、想定する作品のイメージと違う、ということもままある訳で。
カクコンの募集ジャンルは年々アップデートされてますが、投稿作品のジャンル設定も改革が必要なのでは? などと思ったり。
まあランキングリセットとかいろいろ不都合があるのだろうけども、ジャンルのイメージが違うから「その他」にした結果、日の目を見ないものもあるだろうし……。
まあ、少数派なのかなぁ……。
閑話休題。
世界観の構成要素には大まかに三つの「軸」があると思う訳です。その「軸」の中により細やかな要素がある。こうやって分割して細かく見てみると、考えるべき要点が見えてくる、ような気がする。
まず、最初にタテ軸。
これは「時代」です。時間。歴史のことです。
その中には、「現代」……「現在」と言い換えた方がいいかも。その世界(「異世界」のこと)における現在、物語の舞台となる時代があり、
続いて「歴史」「神話」という史実と伝説があります。
こちらの現在部分は作者によりけりですが、歴史・神話部分は現実の歴史とかを参考にするのがベターでしょう。神話についてはもう少し掘り下げたいところですが、いったん後述。
次に、ヨコ軸。
こちらがいわゆる「世界観」の大部分を占める要素で、いちばん雑多な部分だと思われます。
星、大陸、その中の地域や国、街や村……「舞台設定」。基本的には地球型惑星が舞台になると思われますが、その中でもどういった環境なのか……暑いのか寒いのか、日本のように四季があるのか、といった部分。
人種や階級といったその世界の雰囲気をかたちづくる要素、それから法律や制度など。生活に根付く部分であり、人種といえば人間・エルフ・ドワーフなど、ファンタジー的な要素でもあります。種族、といった方が安全かも?
これらはまだ細分化できると思いますが……とりあえず「生活」「法律」「種族」とか、そのあたりでしょうか。「文明」「文化」といった言い方も出来そう。
モンスターとかが登場すると、「生物」カテゴリを新設する必要があるかも。「植物」とかも。まあそのへんはマニアックな領域なので、深く設定するということはイコールそれに特化した作品になるだろうし、まあ意識してカテゴライズしなくてもいいか……。
異世界といえばたいてい「中世ヨーロッパ風」になるので、こうした要素を深く設定する場合、実際の歴史や生活の要素を参考にするか、ファンタジー系の創作関係の本を頼るのがおすすめ。
なぜタテヨコで分けたかといえば、同じ国や地域でも時代によって名称や雰囲気などが変化するためです。
そして、第三の軸。これはナナメに存在するイメージです。
何かといえば、「魔法」など、その世界独自の法則。普遍的な物理法則などなど。これは「世界観の設定」というより「設定」として扱われそうですが、「世界観をかたちづくる一部分」として考える場合、こうして分けて考えた方が整理しやすいかと思われます。
どうしてタテでもヨコでもないかといえば、魔法をどう定義するかですが、これは変わらない法則で、しかし時代によって扱われ方が違う……一部の人しか使えない魔法だと思われていたものが科学的に解明されて普遍的になる、など。
時代の影響を受けて表面が変わりつつ、地域によっては邪悪なもの、神聖なもの、などの扱いが変わるものである、という考えからです。
この軸に関しては作者のオリジナリティの部分なので、特に言うことはなく。
強いて言えば、意識して設けるのであれば、それらはストーリーや世界観とも深く結びついている方が良いものとされています。
こうして要素を区別して、アウトラインでノード分けしたり、それに一言・一文でもいいから簡潔なコメントを添えるなどすれば分かりやすいのではないか。フォルダ分けして資料のファイルやテキストなどをぶっこむなどすれば便利なのではないか。
そうは思うのですがなにぶんこちらアナログで、チラシの裏などに書いたりメモったりしてるものだからとっちらかっていて、複数の異世界の設定を同時並行でやってるからもうカオス。
なのでまあ、この紙がどういうカテゴリなのか……という部分を整理できるように、上述のような区分を設ける必要性を感じた次第です。
今回は世界観のみにフォーカスしましたが、お話の構成要素としては大枠として「ストーリー」「キャラクター」というカテゴリもあります。
ストーリーは、「構成」という一本の道に、「キャラクターアーク」という乗りものがあって、そこを走っていると「テーマ」という空気、雰囲気を感じる……といったニュアンスで表現できるのではないかと考えました。元ネタやモチーフは車窓から見える風景、景観、オブジェクトみたいなもの。
ストーリーは時間軸という分け方もありますが、基本的には一本の柱、あるいは複数の要素が絡み合ったもの、というイメージ。要するに、単純には分けがたい。章単位で区切る、くらい。
キャラクターに関しては「世界観」同様に複数の軸で分けられそう。
まず性別、生年月日、身長体重、家族構成などの数字を主とした「パーソナルデータ」。
それから、キャラクター個人の性格や、固有の能力など「人物設定」。
そしてキャラクターの来歴、どこでどういう風に育って今どういう立場なのか、という「背景設定」。「人物背景」とかでもいいかも。
これらをひとくくりに「キャラクター設定」と考える訳ですが、やっぱ細分化した方が把握しやすいと思われます。
さて、後述するといった神話に関してですが。
これは深く設定する必要性はないかもですが、大まかに分けると二つ、「世界観のタテ軸」のいちばん下、深層、根源の部分に当たるものとして取り上げたいところ。
端的に言えば、「その世界に神は存在するか?」という問いに表されます。
ファンタジー世界なので神がいて魔法があって……というのは当たり前といえばそうなのですが……。
神がいるとすれば、その世界観のはじまりは、聖書の創世記のように、「神が人間(その他種族)をつくった」ということになります。複数の種族がいるのであれば、その種族それぞれが信仰する神などがいて、世界観に多様性、深みが生まれます。
一方、神がいないとするなら、その世界の生命はいわゆる「進化論」的な考え方で、海から陸に上がった何かしらがサルに進化して原始人、そしてホモサピエンスへ、という感じになるでしょう。あるいは宇宙から隕石が、というのでもあり。
なんでこの部分を意識するのかといえば、まあ個人的な話にもなるのですが……神がいるとすれば、その世界の大部分はファンタジーで、魔法なども自由に設定できます。
しかしそうなると、「神々の登場する神話の時代」……伝説こそ残っているがどこまでが事実で、どこまでが創作なのか曖昧な時代があって、はっきり歴史書などに史実として記されている「歴史の時代」がある、という区分が生じます。その歴史にも曖昧さはある訳ですが。今でも神が存在しているのか、存在していないとすれば何があったのか、といった設定を設ける必要性が生じます。
かたや、神のいない世界。これは「現代ベース・SFベースの世界観」と言い換えることも出来ます。現代文明が滅んだあとに異世界が構築された、という感じの異世界ファンタジーです。
その世界ではファンタジー的な魔法があってはいけない……というと極端ですが、その魔法設定にはしっかりと理屈が通ってないといけない。
神がいない、ファンタジー性が薄い、となると、その世界にあるファンタジー要素には何かしらの科学的・現実的な理由付けが必要。魔法とされるものの正体は、実はナノマシンによるもの、みたいなイメージ。
ある程度は「SF要素」というかたちで曖昧にできる部分もあります。その異世界において「古代文明の遺物」とされるものは、「SF世界の発明品」な訳なので。ある程度現実離れしていても、「文明が滅びるまでに発展した技術」としてどうにかなるという訳です。
……まあこの区分を意識するとすれば、それは「世界の秘密」を探るような物語であるべきで、そういう作品を書こうとする人以外には関係ない部分ではある。
それが個人的な問題で、なぜだか最近ファンタジーを書こうとすると現実的な部分を意識してしまって、そうした現代ベースの世界観になりがち。
……そのくせ、現代を舞台にしたものではファンタジーも普通に受け入れられている。まあ「魔法少女」とか「吸血鬼」っていう存在感ある要素に依存している部分があって、純粋に「現代ファンタジー」っていうのを考えられない頭にはなりつつあるのだが……。
書きたかったことはだいたい以上なのですが。
最近気づいた……というか、最近になってようやく気付いたことがあり。
異世界ファンタジーを書くにあたり、ストーリーのネタづくり、ネタを膨らませるために、これまで世界観・歴史を深掘りしていて、そうした生命の起源を考えるまで至った訳ですが。
……この深掘りする過程そのものがストーリーになるんじゃないか?
という、これまでなんとなく分かっていたつもりでやっていたことが、ここにきてようやく言語化して、意識的に、自覚的にやってみよう、という考えに至ったのである……。
なんのこっちゃかというと、
これまで、この「現在」に至るまで何があったか、歴史を設定していって、その歴史を元に「現在のストーリー」を手探りしていっていたのですが。
この「歴史」を探る過程そのものをストーリーに、歴史を逆行していけばいいのでは、と。
歴史を描く、というのではなく……
たとえば、ある種族だけが虐げられている現在があるとして。
歴史設定の部分では、ある国とある国の戦争があった、負けた方の国の種族が虐げられるようになった、等々あり。しかし肝心の戦争の理由などは「謎」になっている。
物語本編はその虐げられている種族の現状や苦難を描きつつ、この現状から解放される方法を探ります。
その中で、この現状になるに至った歴史に触れていく、というイメージ。その歴史の中に、現状を変えるヒントが隠されている、みたいな。歴史上の「謎」を探るのがストーリーというか、物語の中でだんだんとその「謎」が明らかになっていくように話をつくっていく、というか。
……こうしてうまく言語化できなかったからいろいろと錯綜していた訳ですが……。
これまで表に出ない歴史背景だけやたらとつくっていたのですが、それを無駄にしない運用法として、この「歴史に触れる」かたちのストーリー展開が使えるのではないか、というのが最近の気付きです。
歴史から神話へ、そして世界の秘密に迫っていく、というような……。
まあ「神がいるかどうか」っていうのはどちらかに定めたとしても、歴史の中で曖昧になる部分ではあるので、「どちらともつかない」がいちばん妥当というかベターな選択肢になるかと思います。現実がそうだし。
でもだからこそ、どちらかに「振る」ことで設定を確立していくことも出来るのでは、と。
ちなみに、「神がいない」としたうえで、制約の緩いファンタジーを構築する方法……というか抜け道のひとつが、「ゲーム世界に転移・転生」というものです。まあその場合、その「ゲーム世界」側には神がいる訳ですが、その神をいちおう「現実世界のサーバー管理者」などと出来たりする。悪魔とかモンスターは「バグ・不具合」という訳です。
魔法などは自由に何でも出来るが、「ゲームなので問題ない」という感じ。
一方で一部の特異な現象を、「ゲーム外の現実からの干渉」というかたちで理屈を通すことも出来る、と。
主人公をゲーム内の人物として、「そのゲーム世界が真実」「ゲーム外の現実の存在を認識していない」とすると、いい感じに謎がつくれそうです。その世界で「魔法」を使うのは、ゲーム外から現実に転移、あるいは普通に「ゲームしにきた」現実側の人間、とか。
……現実世界で、リアルなファンタジー体験をするためにつくられたゲーム、というのがこの世界観の基礎。主人公を含めたゲームの中の人物は高度に発達したAI、あるいは実在の人物をモデルに構築された存在、とか。
こうして「中と外」を区分するからには、「外」からの影響を物語に含めるのが妥当。たとえば「外」で「ゲームのサービス終了が決まった」「サーバー運営できない」「サーバーに物理的な不具合、そのためゲーム内で異常が発生」とかとか。
……そうすると、このゲーム世界は「終わり」が決まっていて、世界の終わる物語になる訳ですが……これをどうハッピーエンドにするか、模索する過程でネタが膨らんでいく。
……「外」が滅亡していて、「ゲーム内」に逃げ込んできた「外の人たち」とか設定すると、より悲壮感が増す。
ともあれ、まあそういう感じで世界観の土台を考えるとストーリーが浮かぶ、という考えでやってきた訳ですが、今後は「歴史に触れる」路線を本格的に検討しながらやっていこうかと思っており。
うまくいけばそれを実践した新作を遠からず投稿できる、と信じています。
それが「キングメイカー」というタイトルの異世界ファンタジーになる予定であります。
リアリティにこだわる病気持ちなので、その世界は「神がいない」ものですが、そのうえでどう「ファンタジー要素」を、「魔法」を設定できるか、という挑戦中です。そんでもって、それらがちゃんと物語において意味のある、全てが渾然一体となる世界観の構築を目指します。
まあそういう「深み」を意識してつくっていても、読者からすれば初見パッと見、他の「異世界ファンタジー」と変わらないと思います。最初から「深み」を匂わせることが出来ればいいが、たぶんそれとは異なる方向から読者の気を引ける要素を置いておくのは無難かな……。
……あともういっこ、「神がいる」路線で、ファンタジー感の薄い方向性のものも企画中。ある意味「キングメイカー」と逆路線ですが特に関連性はない、現代ファンタジー……なのですが、上述のジャンル事情からいちおう「異世界ファンタジー」として投稿する予定。現代日本風の世界を舞台にした、和風ファンタジーです。
カテゴライズ、ラベリングなどをして情報が錯綜しないよう調整しながら。
……がんばるます。