最近……8月は鬱々としていて、9月も大概で、おまけに体調も悪くなったりして。それはそれとして。頭の整理をしよう。指を動かそうの回。
そういえば、『小市民』のアニメ、なんだかんだ全話二回ずつ見たので、原作と比べてみたい、と思ったりした。そういえばあったよな、と押し入れから発掘してきた四冊。雨漏りその他の被害にあった中、比較的無事だったのはいいが本棚には置くにはあれなので仕舞っていたもの。ちなみに『氷菓』の京アニカバーのやつも被害者に含まれる。「冬期」は持ってなかった。夏までは読んだ覚えがある。若干の後味の悪さからか手が止まったのか、なんなのか。まあ読書できない時期もあった時代の話。
しかしまあ、後学のためにまずは異世界ファンタジー、特によくありそうなタイプのラノベを読みたい時期なので、いつ読むかは分からない。
で、それとは別に。
本を読んだ。『アークノア』1,2巻。話が地続きなので「上下巻」という印象だけども。
ネタバレなしのあらすじを書くと、「アークノア」という絵本の世界に迷い込んだ兄弟のお話。異世界ファンタジー。元の世界に戻るには、自分の心が生み出した怪物を殺さなくてはいけない。
アークノアの世界では死が存在しない。この世界の人は死んでも翌日には生き返る、という。先日も書いたけど。そういう「世界観」がはっきりした世界なのだが、ここに変化をもたらすのが外の世界(我々が住むような現実社会)からやってきた「異邦人(主人公たち)」と、その心から生まれた「怪物」。アークノアの人々は「自分たちの世界観を守るため」に戦う。「世界観を守るため」っていう表現が面白い。
話の大筋はそうした「怪物」を倒すための物語。ファンタジー世界だけど銃器とか普通に出るが、そういうもので楽に倒せる怪物ではない。そういう存在をどう倒すか、計画を練ったり作戦の準備をしたりと細かく描かれている。
読んだ感想はといえば、ネタバレはしないけど、「こういうのが書きたかったんだ!」っていう。僕はこういう異世界ファンタジーが書きたかったんだ! って、久々に夢中で読んだと思う。
真面目に、小中学校の図書室に並んでいて然るべき作品だと思うのだが……「人が死んでも生き返る」と上述したが、そういう世界観なので普通に人が死ぬ。怪物なのでフランクに人を殺す。残酷描写多々。しかもかなり生々しい。そこが児童向けではないか。
二巻まで読むと「ダークファンタジー」感も覚える。でもカクヨムでたまに開催される児童向け小説のコンテストに、僕はこういうのを書いて応募したかった! と強く思った。
前にハイドアンドシーカーズなるものを書いたけど、もっと早くこれを読んでたらだいぶ寄った内容になったと思う。影響受けやすい人間なので。影響といえば、そのハイド、放課後の学校のイメージが『青エク』の祓魔塾だったのだけど、最近無料公開されてるの読んだら思った以上に影響を受けていたと気付いた。青エクとか双星とかセラフとか、もっと注目されてもいいと思うんだ。
閑話休題。
読書の感想に戻る。
アークノアの最大の残念点が一つ。続きがない。続刊がないこと。
二巻ラスト時点で、まだ物語が続いている。自分が読んだのは文庫版だけど、元の本は2015年には二巻が出ている。が、続きはない。
しかし、これで完結かもしれない、とも思う。というのも、一巻は「五章」で終わるのだが、二巻は五章のあとに「エピローグ」がある。いちおう話は一区切りという感じで、あとは読者の想像に委ねる、俺たちの戦いはこれからだ的な終わり方、という風にもとれるのである。ただし、エピローグのラストには「To Be Continued」とある……。一巻にはなかった。しかし続きは出てない……。
いちおう、いろいろと推測できるものもある。アークノアを訪れた異邦人の結末を考えると、怪物を倒し現実に戻るパターン、あれなパターンときたら、戻らず留まる展開もありえる。主人公がそうなるのかもしれないし、そうじゃないとしても、そうなった場合の「例」みたいなかたちが示されるのでは、それがあの二人なのでは、と思わなくもない。アークノア世界における明らかな異物。外の世界にいる同姓の人物。続きが気になる。
他の雑多な印象としては、謎のBLみがあったね。主人公がドワーフおじさんに「あーん」てされたり、自分より年上の青年に「パパ」って呼ばれたり。
あと、ところどころ「震災」を意識させるような描写があった。地震の被害だったり、ラジオ放送だったり。直接津波の描写はないけど、それを連想させるような感じだったり。一巻の発行も13年だから、少なからず影響はあるのだろうと思う。
あとは……そう。視点、節の区切り方。主人公の一人称視点と、その他の人物による三人称視点が交互、適度に入れ替わる。映像的な見せ方みたいなものを学んだ。準備期間を細かく描写することもあれば、視点を変えることですぐに結果を報告するというかたちテンポを速めたり。一巻で準備作業の様子に重点が置かれてたから、二巻ではそれを軽く説明するだけで様子を想像させて、別方面の描写をしていたり。なるほどなぁ、という。全体的に映画的な印象だったし、普通に実写・アニメ問わず映像化できるのでは、と思いました。
なんか、別名義とか別の出版社とか別のタイトルとかでもいいから、この世界観を扱ったものが出ないかなー、と。なんならすでにどこかに出てるんじゃないかなー、と。今後のそうした可能性に期待したい。
整理、計画の回。
そろそろカクコンの応募要項なりが出てきてもいいころ。そういう季節が近づいてきた感。時が経つのは早い。
自分は今回「一年計画」なるものをやっていたのだが、現状をいえばまったく何もできておらず、自分の計画性のなさに死にたくなってくる。
ただ、結果的にいえば、計画していた「恋愛もの、異世界殺し合い、異世界冒険」これら三つの要綱を満たしているものが、なんだかんだで生まれつつある。なので、まだ希望を捨てるには早い。
それから、直近の、というか現行の、バナーにも表示されているコンテスト二つ。BLと中華和風について。
後者の方のページを改めてチェックして、改めて「星夜見」がこれわんちゃんいけたのでは、とフクザツなお気持ち。期間的に合わないのでもう諦めるしかないが。「溺愛」企画の時に考えていたあれこれでどうにか、何か一つつくれないか、と模索中。
ちょうどというかなんというか、ふと思い出した、タイトルも覚えていない昔やったゲームについて調べてみて、それが和風……というか東洋風の作品なので、それを意識しつつ、どうにかできないかと考えている。
なんていうか、中華? 和風? といわれても、という感じで。
和風も突き詰めれば中華感出てくるし。そういうのって知識ないとリアリティでないだろうし。完全創作はアウトなのか、和風ってどこまでが許されるのか、といろいろアバウトなライン。たとえば現代の東京で呪術師同士が殺し合うのは和風なのか、という。舞台が京都だったら和風になるのか? 「和風」っていうからには古風な雰囲気あれば許される? いろいろと怪しいが、「中華」でいくより「和風」ならまだごまかしが利く気がする。
ときめきだとか恋愛だとかさておくとして、「芯のあるヒロイン」という点。ちらっと応募作品群を見てみたけど、男性が異世界転生して女性に、みたいな作品もあった。そういうのが許されるならどうにかなりそうだけど、あれでもそれってほぼBLでは。
で、前者。
たまたまコンテスト情報の出た同時期に、作品イメージともいうべき「シーン」が浮かんでいて。それがBLみあるなーっと思ってたから、じゃあこれでやってみるか、と。
これに関しては奇遇なことがあって。先日ジャンプラで『双星の陰陽師』大人編が公開されていた。その辺りの巻は電子書籍で買ったはいいがまだ読んでおらず、ちょうど良いからと読み始めた。「星夜見」でなんだかんだ陰陽術に触れる機会もあったので、参考になれば、と。
すると、「双星」にBLみがあることに気付く。いやマジで、読めば分かるから。いやそれは本題じゃないんだ。そういえばこういう作品だった、と思いつつ、未読ゾーンに入る。そこで、上述の「シーン」そのものといってもいいシーンと遭遇した。
いじめられっ子の眼鏡キャラが、崖から落ちそうな、自身をいじめていた相手の手を掴む。そして助ける、というシーンである。
別にその二人に関しては特に何もないのだが。
自分、こういうシーンをたまたま思い描いていたのである。イメージ的には、いじめっ子側の視点で、自分を見下ろす、自分の手を掴んでいる、眼鏡のいじめられっ子。泣き笑いの表情。思わず助けてしまったが。
ここでこの手を放せば、自由になれる。助ける義理もない。でも。
……みたいな。
まさにこれじゃん、と思った次第。だからどう、という訳ではないが、これも何かの縁だと思って。完結必須なのは厳しいしBLで長編いけるかは怪しかったけど、挑戦してみよう、と。
……思ったのだけど。
いや、別にBLが好きって訳じゃない。というか、百合もそうだけど、恋愛要素というものにあまり興味がない。ただ、少年漫画とかに見られるような男同士の友情とかライバル関係、敵対関係みたいなものにグッとくることはある。その路線でならぜんぜん書けると思う。
ただ、これに関しては、いろいろと発想が広がっていった結果、期間までに完結は難しいというのと、「BLとすることで生まれる制限」に気付き、断念。どういうことかといえば、BLといえばおもな読者層は女性に限られることになる。ただえさえ読まれないのに、自分から人を限定して、男女ともに楽しめるかもしれない作品の可能性を殺すのはいかがなものか、と。あと、BL作品に女性キャラは出にくい。この話を膨らませるなら男女いろいろいた方がいい、と思って。
この問題に関連して、かねてから「ビーズログ企画A」としているものも、もとはといえば「男同士の絆が尊いコンテスト」用につくられたものだが、その「女性向け」に重点を置いた要素をなるべく削ってもっと一般に読まれるものに改造すべき、という案も浮上。
この二つともに、カクコン向け、読者の性別を問わないものとして構成していこう、という結論に。
ちなみに、くだんの「ビーズログ企画」、これもやりようによってはぜんぜんBL。男主人公と"女装"お姫様の話なので。しかし世界観ががが。
これから改造するとしてもそのポイントはイメージが固まちゃってて変えようがないから、どう一般向けにするか。いちおう女騎士はいるが、もうちょっとヒロインみ、女性キャラを増やす方向でいくか……?
ともあれ、そうした経緯からBLコンテストは諦めるか、と思ったのだが。
でもまあ、頑張れば何かいけるか? と頭をひねっているところ。
いけるか、というか、「通用するのか」を試してみたいのだよね。自分の考えた「これ」がBLとして受け取られるかどうか、みたいなところ。
これ、というのは、男性同士の恋愛ではなく、男性同士の「戦闘」に重点を置いたもののこと。上述の「眼鏡企画(便宜上)」もそうしようと考えていた。
つまり、相手を想うように、相手を殺そうとする。いわゆる殺し愛。出したり入れたり、刺したり抜いたり。性描写ではないけど「生の描写」も出来る。
構想としては、クライマックスの「大きな戦闘」のために、そこまでの過程を準備する……この発想はたぶん、『アークノア』の影響を受けているのでは、とここまで書いてふと気づく。でもまあそれ以前から、「最後の章のためにこれまでの全てがある、全ての描写が伏線足りえる」みたいなものを書きたいという、物書きなら誰もが一度は思うのではないかという野望がありはしたけど。それを実現できうる可能性の一つとして、「戦闘」という案が出たのである。
ともあれ、その「殺し愛」が「BL」として世間一般から評価されるのかどうか、それを確かめたいという実験、みたいな感じ。BLというよりは「ブロマンス」という方が適切なのか。両者の違いをよく分かっていない。
そんな感じでいろいろと画策中なのだが……。
上述の二つのコンテスト、どれも完結必須、10万字以上が平気で求められる。それに加えてカクコン。新作の他にストックもある訳だが、冷静になって考えてみたら、いったい何十万字かかることやら。
まあ、やることがある、道がたくさんある、というのは悪いことではないだろう……。しかしいろいろと忘れがちなので、やるべきものをリストアップすべきかもしれない。目に見えるところに。
いちおう……既存の投稿作品。これらの続きを書いたり、10万字目指したり。トレイン、アルテ、星夜見と、直近のものも。
それから、まだタイトルも決まっていない、イメージだけのあやふやなものたち。失恋日記、世界の中心、ロミオとジュリエット、おともだちのつくりかた、等々。あと、百合文芸のやつも。
……昔、こういう話を目にした。在学中に五つの公募に受賞した作家の話。逸話。今も現役で活躍してる人。これが一つの憧れというか、夢というか、目標、野望として常に自分の心の奥底にくすぶっている。
在学中、というのはもうアウトだとして(カクヨム甲子園、とか文字だけ見ても悲しくなる)。
複数の公募で同時受賞、というのも……あんまり積極的に認めたくはないけど、現実的じゃないという自覚もある、が。
やっぱり一つの憧れとして、常に意識してしまう。たとえば選考の発表時、同じペンネームが複数並んでいる光景。一次通過とかだとザラにある。複数応募して、複数選考通過している人。結果的に受賞はしてなくても、すごいよなぁって思うし、こう出来たらなぁって思う。こっちは一作書き上げるので常に精一杯なもんで。だけど野心だけはある。
現在の妥協的な目標としては、カクヨムの何かしらのコンテスト、その複数で最低一作は中間を超えること。つまり、「あのコンテストにも、こっちのコンテストにも、こいつの名前が載ってるぞ」と。
そしてより理想的な目標としては、最終選考に二作入ってること、ですかね。何作でもいいよ。複数のコンテストでそれが達成できれば満足。もちろん受賞からの書籍化すれば万々歳だけど、とにもかくにも、「複数通過」、これが出来れば「実力」があると証明できるし、自信にも繋がる。
……一作だけ一次とか中間に残っても、それは時の運だったり、アイディアが良かった(ただそれだけの一発屋)ということだろう、と自分では思うので。そのいずれも達成してるだけに、痛感している。
運が良くてアイディアが良かったからいちおうの書籍化が出来た、多少狙いはしたが(そもそも応募数の少ないところ)やっぱり運が良かったから選考に残った、アイディアがたまたま良かったから選考に残った。しかしいずれも受賞はせず。二度目三度目と続いてないだけに、これらはやっぱり「実力がある」からではなく、誰にでも起こりえるささやかな幸運に過ぎない。
近年のカクヨムにおける現在の自己評価はそんなところ。カクヨム以外の公募に関しては、初めての応募だったからお情け(もっかい応募させるために、「こんなに応募がありました」という数を稼ぐために)通した、という可能性も捨てきれないと思っている。常にすべてを疑っている。信じてない。自信がない。
今年こそは……。というか、今回どうにか出来ないと、未来が見えない。なんとなく感じるのは、早めに手を打たないと、AIだのなんだのによって生きる場所を奪われるのでは、という危機感。
さて、どうなることか。
とりあえず、明日のリバース楽しみだなぁ! と元気にしめておく。
ストームがやってくる!
……あと、リアル台風もやってくる……。