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ドラノベコン、一か月後の結果篇と異世界芸術について


 コンテストそのものの結果ではなく、一か月前から準備してきたもろもろの結果。

 結論から言えば、絶望的。二つ合わせてPV1。フォローはされているが、そのフォローしてる人は別に読んでいる訳ではない。
 いろいろ……予約投稿の仕様変更後、初めての投稿で、普段なら多少ズラすところを12時ぴったりとか18時ぴったりに投稿したこと。
 同時期、ニコニコのトラブルとかがあって、わんちゃんカクヨムにも影響していた可能性。システム的にではなく、ユーザー層がかぶってて、とか。カクヨムを利用してなかった可能性。
 そして、最近のカクヨムのお知らせがネクスト関連ばっかりで、もう本家カクヨムは過去のものになっていて、利用者なんていなかったのでは、という可能性。

 ……いろいろ、原因を他所に求めて心の平穏を図ろうとしてるけど、まあ「読まれなかった」事実は変わらず、それはこの一か月間頑張ってきた自分にはだいぶ堪える結果になりました。つらい。一つなんて締切前日、当日に2万字仕上げたというのに。3時間くらい作業して1000字しか進んでなかった時、これもうダメじゃない?ていう不安に襲われながら、後半はなんとか乗ってきた。世界観の描写がいちばん時間食いました。

 ともあれ、まとめ。



 以前のノートで5つのネタを出していたのだが、結果、かたちになったのは3つでした。
 AC1こと「アルテ・レ・コンキスタ」、AC2こと「トレーン」。「AC」というのは「絵師」のことでした。「アルテ」のことはいまだに「絵師」って呼んでる。それくらい……半年くらいそう呼んでたので、だいぶ定着してしまっている。

 他の3つもぼちぼち進めていたのだが、実際に文章に起こせたのは上の2つだけだった。
 というのも、ストーリーが出来なかったからである。最低でも2万字程度を補えるストーリー案が浮かべれば良かったのだけど、「先」を見据えて構成するとそれがなかなかできず。
「ドールズ」と「WW」は頑張ればなんとか2万字はいけそうだったが、前者はロボットとか出るのでその設定関係が怪しく。このためにウィキで有名なロボットアニメを調べまくったりしたのだけど……自分が「新しい」と思っていたアイディアなんて、とうの昔に散々出尽くしていたことを思い知る。けっこうなダメージだったりした。あと、自分でロボットのデザインを適当に描いてみたが、ダサかった。
 後者はSFを意識しつつもファンタジーよりだったので、全然いけそうだったのだけど……序盤は雑なコメディ系異能バトルを適当に仕上げることが出来そうではあったが、やっぱり「先」が見えない不安があり、断念。

 で、ここまで言及してない「百合」のやつ。こっちは想像以上に風呂敷が広がったのだが、細かいところが怪しく。今回得られた一番の教訓がこれで、「大きなテーマ内の氷山の一角を描けること」……これが出来れば、もう最強、ソシャゲのイベストとかばんばん量産出来てライターとして安泰なのでは、と思った。出来なかったから、教訓なんだけど。
 どういうことかといえば、たとえば「戦争」をテーマにつくる時、1章では戦争に巻き込まれる一般人の話、2章では攻撃されてる側の話、上層部の話、兵士の話……といったように、1つのテーマから「短編・エピソード」を作り上げる能力。これが出来れば……テーマからストーリーをちゃんと抽出できれば、もう長編なんていくらでも書けるよな、という学びを得たのである。
 この「百合」のやつでは、仕様上それが一番求められたのだが、序盤のストーリーが思いつかず、難航。実を言えばトレーンも最初はそんな感じだったのだが、こっちはうまく思いつけて、1章の案が出来、締切ぎりぎりになんとか投稿することが出来た次第である。

 では、個別の話。


・「人気絵師」

 人気、とか有名、とか自分の中でも定まってなかったが、キャッチコピーだけはだいぶ前からあって、迷うたびにこれに立ち戻り、軌道修正してきた。
 何がどう人気なのかといえば……借金取りとかに追われてる感じ。
 結局投稿ぶんには名前も出てない「メイド館」のエピソードがはじめにあって、異世界のメイド喫茶的なところに行く、お金が支払えないので代わりに絵を描く、逃げる、あとからやってきた「追手」が「この絵を言い値で買い取らせてくれ」と言ってくる……といったような。いわゆる「裸の大将」的なイメージが発端にあった。
 そこからまあ、設定がついて、だいぶ壮大というか絢爛というか、良いものになりそうな感になってきたものである。読まれてないけど!

 このアイディアのそもそもの発端は、いつぞやのMFブックスのコンテストに遡る。その時に「モンスターハンターみたいにモンスターを討伐して、その素材で……絵具をつくるのはどうか!」それで漫画を描く、「俺がストーリーでお前が絵だ! 異世界でバクマン!」みたいなイメージがあったのである。これが叩き台。
 そのころの投稿作とか近況ノートを見れば何かしら見つかると思うが、錬金術とかの関係で鉱石とかについて調べていたり、そこから顔料をつくれる、毒性のある絵具がある、とかいろいろな案があった末に、「異世界の芸術」というテーマが浮かんだ。

 モンスターの素材を武器以外に利用するのだ、というアイディアの骨子。
 しかしまあ、よくよく周りを見てみると、意外とそういうお話は無数にあって。自分が気付いてなかった、ちゃんと認識してなかっただけで、タイムリーなことにモンスターを食材にしちゃう作品とかも普通にあるし。そもそも、モンスターの素材からアイテムを作る、「アトリエシリーズ」がアイディアの発端に存在してたり。
 そういうものとの差別化として向かった先が、「異世界遺産」「異世界の芸術」。これが究極の難題だった。

 単純に、現実の芸術について、ほとんど何も知らない。学生時代は美術音楽が嫌いな科目だった。イラストは好きなので、「異世界の芸術……いわゆる二次元美少女のイラスト……」という路線が一つの選択肢として早々に浮上。これが重要な指針となるのだが、そこに落ち着くまでに、まず現実世界の美術史について、それこそ原始時代のそれから現代にいたるまで、ウィキだったりNHKだったりを通して調べまくった。まったく未知のジャンルを探求していったのである。続く。

 これから始めるのは、この世界に存在しない芸術の歴史をつくること。異世界らしい芸術をつくること。……でもそれって、完全に架空なものなんだから、最悪誰も興味を持たない可能性もあるのでは?
 そういう不安を抱きつつ、ああでもないこうでもないと試行錯誤。初期のメモには本当に雑多なことが書かれている。絵の技術とか、ジャンルとか、そういうの。とにかく知らないことばかり。

 そして探求を進めていくと、どうしても芸術が宗教と、世界の歴史と切っても切り離せないことに気付く。より広範囲に学ぶ必要があった。
 ただ、たまたま見ていたゲーム配信の中で気になったワードがあって、それを調べたことがきっかけで、一つの大きな指針が出来上がった。そのワードというのが「公会議」。なんのゲーム化はお察し。
 公会議というのはざっくり言うと、某宗教の教義のあれこれを決める話し合いの場。これをモチーフに、基盤に、中心にして、「絵師世界の歴史、宗教、芸術の変遷」をつくっていこう、と考えた。
 ちなみに言葉を濁しているのは、「現実のそれ」の決定とは逆を行く方向に話を進めてしまったから。ちょっと、冒涜的かなーって。たとえば、現実では「異端」として追放されたものを、「正統」として基礎にしていたり。なんか、そう考えるとうまくいったので……。
 まあそんな感じで、現実の会議の内容を参考に、世界の歴史が徐々に見えてきて、宗教の変遷、芸術史が出来上がっていって、今回なんとかかたちにすることが出来た、という次第。

 ちなみに、主人公の名前は完全に思いつきで、なんかそれらしい意味とかないかなって調べてみると、その公会議にも関係してくる名前だったので、採用。そのページからの繋がりで、「ギリシャ語の人名一覧」みたいなところを覗き、「見た目」の良い名前を適当に漁っていったら、「芸術家の守護聖人」にヒット、それをそのまま採用、という……。こういう、思い付きで石を投げた方向に城を築くような発想法で進んできました。
 ちなみにちなみに、投稿ぶんでヒロインの描写が「子どもの浮浪者」っていう惨憺たるものなのですが、ルカと言います。どうぞお見知りおきを。

 ちなみに、この世界観の宗教も「芸術と宗教画は切り離せないものだから、いちおうなんか創世神話考えとこう」という考えが初期にあり、「美少女が空から降ってきて、世界をつくった」という雑案が始まりだったりする。いったんそれを忘れていたが、やっぱり「原点・オリジン」を意識しておくのは大事だね。お陰でだいぶ独特な、あまりシリアスになりすぎない印象の「宗教」が出来ました。美少女教の誕生である。

 残る問題というか、ずっと悩んでいたのが、この話をどうかたちにするか、というもの。異世界の遺跡を回るなら、世界の秘密とかを探る方にしたい、でもそうするならシリアスになる……という。短編集みたいなイメージが雰囲気に合ってる気も……とか。
 で、前のノートに書いたが、「コメディのり」も「シリアス」もどっちもやる、ということで、「AC1と2」になったのである。
 コメディといいつつ、ややシリアスな要素も含むが、「絵師」は全体的に明るい話。いちおうの「終わり」も見据えていて、1章後の展開も、まだ確定ではないが大雑把には決めている。プロローグが一つの分岐点だったりする。あそこでいろいろ適当なことを書いたのがきっかけで、方向性が少し固まったり。
 とりあえず、もう少し書いて投稿する予定はある。その後は、いろいろ触ってみたい「芸術」の要素を膨らませて、何か面白そうなのが浮かべばそれを加えつつ、「終わり」に向かって話を構築していく予定。
 そういう意味では、「終わり」……この話のメインとなる要素、「総会議」について序盤で触れられたのは、「先を見据えた構成」としてちゃんとしてる気がする。やっぱり「結末」は考えていた方がいいよね、という。これが今回投稿できた二作と、それ以外の違い。

 ちなみに、あらすじと、カクヨムの新仕様である「1話目の冒頭が見れる」機能のせいで、なんかお堅い話みたいに見えるかもしれないが、プロローグをちゃんと読めば雰囲気はきっと伝わるはず。誤解される可能性もあったが、あの冒頭は最初期からあったのであのまま行きたかった。



・「トレーン」

 タイトルは割とざっくり、適当に。たまたま見つけた「雨、蒸気、速力、グレートウェスタン鉄道」だったか、そのタイトルをモチーフにしてみた。このグレートウェスタン鉄道に関しては、実際に書く段階になって鉄道のイメージを求めていた時に再会することになった。
 いうて、このタイトルの割に、そんなに鉄道に乗って旅するイメージはない。

 こっちはシリアスな話。上からの分岐で、「世界の謎……終末の真相」を探る話。そういう訳で、こっちも「終わり」が見えている。
 ただ……「現実的に、これでいいのか?」という不安もある。物理的に可能か、という問題。SFのつもりはなく、「旅と相棒と奇跡」のサブテーマで始めたのだけど(ちなみに「絵師」の方は「求道者」のつもり、いちおう)。なんかこう、いろいろ考えていくとSF感出てきた。鉄道とか、スチームパンクの象徴みたいなものだし。大前提にファンタジー寄りなSF技術があるにしても……こうなってしまうと、解決策も現実的であるべきなのでは、と。
 まあ、今のところその「終わりと解決策」は叩き台、いちおうの指針ということで、舵を切った次第。

 あとキャラ設定についても、ぼやっとしてるところある。そもそも名前がついてない。新しい試みではあるが、「""」が作中に多すぎる気もしないでもない。"姫"と"黒衣"は変換で即「こうなる」ように辞書登録までした。
 キャラ設定のぼやっとしてる部分の一番は、「ヒロインって本当に人間ですか?」という点と、「あの黒いやつ、中身は同じですか?」というもの。"姫"は人間でもいいけど、とりあえず黒いやつはプロローグと1章で「中身別人」のつもりで書き進めた。その理由が「世代交代」なのか「役割分担」なのかはまだはっきり決めていない。どちらでもいけるように、にごした書き方をしている。
 ちなみに前者だと、わんちゃん「数十年規模」の物語に出来る。"姫"が人間じゃないことを前提として。まあ世界が滅びるならそれくらいでもいいよね、という。だから登場人物の名前も明かさないっていう。
 後者だともう少しスパンの短い話になるけども。まだ救いがあっていい。みんな生きてる。でも生憎とあいつら短命という設定はかなり決定事項。

 ……いっそ、この二つの路線で、別々の物語として仕上げることも……?
 こうしていろいと書いてると、なんかそれはそれでいい気もしてきた。A案で出来なかった別の選択肢をB案で実装したりとか。単純な優柔不断とかではなく、本当に、どっちに転んでも理想のストーリーテリングが出来そうな予感があるのである。

 ちなみに、絵師要素の分岐案として、「世界が滅びるから、既存の遺跡が美術品を模写して記録に残す」ための絵師とその旅、という案から出来たのだが、あんまり絵師要素なくなってしまった。
 というのも、「風景画の価値」みたいなことを考えていくと、「カメラや記録媒体がないから、庶民が遠方の風景を知るのにこの異世界では芸術が役立っている」というのが安易なかたちで、逆にいえば、「カメラがあると風景画の需要が美術的価値のみになるのでは」という。鉄道あるし、カメラとかあってもよさそうだよな、とプロローグにぶっ込んだ。
 もう一つ、模写するための旅だと、あまりにこう、微妙。だから『調査室』というかたちで「終末を防ぐための手段を、過去の文献などから探す、フィールドワークのお話」に持って行った次第。そのため、絵師要素はだいぶ薄れてしまった。ヒロインが「特殊な視点」を持つことだけは生きてるけど、設定的な下地がない不安はある。
 まあ、最初の案からだいぶ離れつつもそれはそれでかたちになった、というので良しとしよう。やりたかった絵師要素は「アルテ」でやればいいので。モンスターとかハントして、その素材で絵具をつくります。こういう「分業」というか、もう一つの選択肢を試せるという意味で、もともと一つのアイディアだったものを分化させるのには良い効果があるかと確信したりけり。

 あと、今回強く実感したのが、世界観の設定を固めてしまうと、どうしても視野が狭くなってしまう点。「世界」というからにはクソデカくあるはずなのに、どうも町や村がこじんまりとした、簡素なイメージになりがちで。悪い意味で現実的に考えてしまっている。
 ほんと、リアルだって、車で何十分とかいかないといけないところにいろいろあるのに、それでまだ一つの県レベルなのに、国はもっと広く、大陸はもっともっと広いのに、そういう現実的な換算がイメージしきれていなかった。
 それで無理やりに、「ロカの町」の描写する時「広く! もっと広く!」と書いた。町がこのレベルなんだから、都市はもっと広く書かないと不自然なので、そういう「縛り」を設ける意味で。
 まあ、あんまり数字にこだわりすぎると、具体的な距離や移動時間の換算とか……変な方向に縛られてしまって、苦しくなるのが悪いクセなのだけど。
 今回応募しようと考えていた「シナズノキミ」でも馬の時速に関する問題で一瞬「都市間の距離、大陸の全景」まで設定しようとして、投げ出したくなった。そこはいちおう「異世界の馬なんだから、現実の馬より早くてもオッケーってことで」と自分をごまかした。設定的にも可能だったので。ウマいもの食ってるんだ。ただし、都市間についてはもう少し深く考えるべきで、今回の「視野問題」を活かそうと思う。



 ともあれ、思い出したらまだまだいろいろ書きたいことが出てくるかもしれないが、これでひとまず、自分のドラノベコンは終わり。おしまい!
 読者選考もPV見ればおしまい! 編集部ピックアップも結局ランキング見てるだろうから、おしまい! つらい! でも学園ミステリの時みたいに拾われることもあるかもしれないというつらいだけの希望を持っておく!
 
 次は……まだちゃんと要綱見た記憶がないが、異世界系のやつに今回かたちにできなかったあれこれでいくとして、「今回はさすがにもういいかな」と思ってた「溺愛」のやつにいい案があったので、それで。あと、長らくログインすらしてないpixivの方も。

 いろいろ、めげずにやっていく予定。またいろいろ不安要素が身の回りに出てきたりもしてるのだけど、結局世のなかなるようにしかならないので、やれることをやるしかないのである。


 >追記
 そういえば、「トリのブックカバー」の当選メールが来ていたのだけど、件名に「【重要】」とかあって、ちょっと怪しいなと保留していたら、カクヨム公式のお知らせで「カクヨムを騙ったメールに注意!」とか来てたのもあって、そのままスルーしていたら見事締切を逃すなどしてブックカバーをもらい損ねたよ。まあもらっても、こういうグッズとかってもったいなくて使いづらい人間なのでそんなにダメージはないのだけど。
 などという近況を思い出したので、追記。


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