たかた　ちひろ

短編の小説です。

カクヨムの機能をまとめました。 エピソードの削除方法や、並べ替えなど意外と気がついていない機能もあるかもしれません。 執筆の参考にしてください。

戸田仲治は第２３師団の生き残りであり、終戦後は生き残った理由を博打に求め続けた。 そんな生活を三十年ばかり過ごし、答えを得ぬままに勝負への熱が冷めていくのを感じ人生の終わりを予感…

ゴゴゴゴゴゴゴッ

とある就活フェアに参加した俺は、たまたま奇妙な企業を発見した。 見たい企業も見終えたし、話だけでも聞こうと面談を受けたのだが、 翌年４月、俺は転生エージェントとなったのであった。

ネットの友人が自室で死んだ。その部屋は密室となっていたという。しかし、他殺ではない。自殺でもない。内側から、完全に密封された部屋で——彼は、みずからが自然に衰弱死するまでを過ごし…

かつてその山には、燃えるような赤い瞳と、赤いたてがみを持つ竜が棲んでいた。 その息吹は森を灼きつくし、その爪は巨人の岩の肌を切り裂き、そのあぎとは角と翼もつ悪魔をも食らう。 その…

　天ヶ瀬縁は高校一年生。アルバイトでせっせとお金を貯めて、ギターの演奏動画配信者として活動を始め、徐々に評価をされ始めたばかりだ。しかし、そんなそこそこ充実したクラスの隅っこ暮ら…

小学校五年生の夏、幼なじみの大吉 桐子は、もういじめられていなかった。 ある日、人が変わったような形相でいじめグループの親玉——唐須 葉子——に掴みかかり、指の股に挟んでいた二枚…

恐竜絶滅クラスの小惑星が数十個降り注ぎ、地球人類は一瞬のうちに絶滅した。 俺は、天国のような場所で目を覚ました。

タクシー運転手の後藤は、夜あらわれては座席シートを濡らして消え去る、幽霊の乗客に悩まされていた。 芦花公園ホラー賞、参加作品。

雨の夜は、雨の嫌いな上司が車で家まで送ってくれる。

　この物語は、どこにでも居るような独身アラサー女・大海原水子の婚活劇場である。 　晩婚化と揶揄されたこの時代、水子を襲うは親の視線か、世間の歪な偏見か、はたまた老後の孤独死への不…

「誰だって自分で選ぶことのできない才能を与えられてこの世に生を受けるものだ」 　だから、決して報われない業を背負い、誰も知らない、彼だけの戦いはきっとこれからも続いていくのだろ…

要はもののけ姫。

自分が特別すごいドラマーだとは、ちっとも思わない。でも、あたしがいたリリカルビートシステムは、世界でいちばん輝いていたバンドのひとつだ。

思えば青春とは閉塞への不断のあらがいで、あのころは誰かを傷つけないようになんて余裕はきっと誰にもなかったのだ。 第8回本山川小説大賞、参加作品。 ※お酒以上の薬物は出てきま…

酔いから覚めると大きな卵が鎮座していた。いつもより、さらにちょっとだけ変わっていた。

ギリギリですみません。

「あんたこれからは卵生なの？」という質問からの大喧嘩の後「たまごフィッシュ」「子宮モンキー」という罵り合いを経て、私たちはお互いのことを「たまこ」「CQ」と呼び合うようになった。

三十路を目前にした売れない作家の私――小比類巻はづきは、ある日、行きつけの喫茶店のバイトの子に恋をした。 それは、私にとって初めての恋であり。 私は戸惑いながらも、胸の奥から湧…

鬼女 鬼女とは、強い思いに当てられた女性の変ずる鬼である。 しばしば人前に現れ、害を為す。 本来、鬼という文字は幽霊のことを指し、死したるものが無念に変じ、人を脅かすを言う。 …

「顧客のニーズを完璧に満たすことなどできない。完璧な絶望が存在しないようにね」 　僕が大学生のころに偶然知り合ったあるマーケターは僕に向かってそう言った。僕がその本当の意味を理解…

主人公・スライは【分裂】すら出来ない最弱の【スライム】であった。そんな彼は、仲間からも見捨てられ、勇者の手によっていとも簡単に殺されてしまう。もう終わりかと彼は思った。しかし次に…

まともになりたいか？ ※登場人物が自己判断で投薬を中止する描写がありますが、現実での自己判断での投薬中止を推奨するものではありません。また、作品内で描かれている薬の効果や治験の…

強い者が弱い者を支配する弱肉強食の世界、寿司。そんな残酷でありながら美しい世界の影に、虐げられる者達がいた。

万年童貞の俺のもとに、一日遅れのサンタクロースがやってくる

太鼓打ちの少年たちの一夏の思い出。 恋と友情と、将来の不安と、そして……。

きびしい体育会系社会のなかでたくましく生きるシンデレラのお話です。（タイトルはシン・ゴジラが流行ってるからつけただけです。）

スーパーみどりは美都里駅の駅ナカにあるスーパーマーケットだ。駅の利用者をターゲットに営業しており、開店時間は深夜まで及ぶ。そのイートインコーナーに、夜な夜な集まる人々がいた。彼ら…