ココナッツサブレの歌を聴け

作者 大澤めぐみ

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★★★ Excellent!!!

内容量を減らし、その代わりに包装を増やし、あまつさえその行動を『工夫』と呼ぶ商品が、いったいこの世にいくつあることだろう。
原価の値上げだから仕方ない。これも一つの時代の流れ。といってはその通りなのだが、どうにも寂しい。

…そっか、あれって元々は28枚もあったんだ。

★★★ Excellent!!!

 ココナッツサブレが28枚1パックから20枚4パックになったことを村上春樹風に嘆く。これはそれだけの小説です。冗談抜きに全て説明しきりました。本レビューは「ネタバレ禁止」の条項に触れていると言われてもおかしくないぐらい、それだけ。

 で、それだけのことに約4000文字費やした小説を最後まで読み、更にこんなレビューを残していることからも御察しの通り、面白いんですね。何かするする楽しく読めてしまう。これはすごいことです。ストーリー性皆無な文章を4000文字読ませるのですから。いや、村上春樹なんで読ませるのは当たり前っちゃ当たり前なんですけど、物書きなら誰でも村上春樹になれるわけではありません。テンポとか会話の運び方とか口説くなりすぎないバランスとか、そういう文章感覚は作者様特有のものでしょう。同じことを語るにしてもつまらない面白いは絶対に出てくるわけで、この小説はどうでもいいことを面白く書く際の教材として有用なのではと何となく思いました。

 しかし、なんでココナッツサブレなんだろう。村上春樹風は分かる。そういう遊びがあるのは知っている。だけどなぜそれとココナッツサブレをくっつけようと思ったのか。いったいどこにトリガーがあったのか。謎

★★★ Excellent!!!

ココナッツサブレの時代を追う話です。

発想がいいですね!

時代を追う毎に、縮小していく社会、まるで切り詰めて生活しているような現実感を帯びていきます。

そして極めつけは個包装。

まるで今までの物量に開放的だったバブル時代を終え、個人の価値さえ見失う。

社会の縮図と共にココナッツサブレという親しまれているお菓子の流れが妙にマッチしていました!

まぎれもなく良作です!

次の話にも期待して、星3つ送らせて頂きます。