死ぬほどどうでもいいことをいかに面白く書くかに挑戦した結果

 ココナッツサブレが28枚1パックから20枚4パックになったことを村上春樹風に嘆く。これはそれだけの小説です。冗談抜きに全て説明しきりました。本レビューは「ネタバレ禁止」の条項に触れていると言われてもおかしくないぐらい、それだけ。

 で、それだけのことに約4000文字費やした小説を最後まで読み、更にこんなレビューを残していることからも御察しの通り、面白いんですね。何かするする楽しく読めてしまう。これはすごいことです。ストーリー性皆無な文章を4000文字読ませるのですから。いや、村上春樹なんで読ませるのは当たり前っちゃ当たり前なんですけど、物書きなら誰でも村上春樹になれるわけではありません。テンポとか会話の運び方とか口説くなりすぎないバランスとか、そういう文章感覚は作者様特有のものでしょう。同じことを語るにしてもつまらない面白いは絶対に出てくるわけで、この小説はどうでもいいことを面白く書く際の教材として有用なのではと何となく思いました。

 しかし、なんでココナッツサブレなんだろう。村上春樹風は分かる。そういう遊びがあるのは知っている。だけどなぜそれとココナッツサブレをくっつけようと思ったのか。いったいどこにトリガーがあったのか。謎

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