概要
最初はハイハイと読み流していた主人公だが、いつの間にかその物語に飲み込まれてゆく。
そもそも彼女はいったいどこへ行ったのか……?
ファンタジーというより「すこしふしぎ」という感覚でお楽しみいただけましたら。
2017.8.5
少し加筆修正しました。
2017.9.1
せっかくなのでコンテストに応募してみました。
(カテゴリーエラーなような気もしましたが…)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!彼女が紡ぐ穴だらけの設定と物語。なのに嘘だと言い切れなくなる物語の力
虚言癖のあった友人アーニャが行方不明になった。
「トラックに跳ねられて異世界に転生した」とのLINEでの連絡。
嘘だと思って呆れていたが、彼女の物語は止まらない。
そこから始まる夢のようなアーニャの物語(アーニャサーガ)と、
その周りで盛り上がる現実世界の話。
アーニャの話はあまりにも設定含めて穴だらけなのに、
物語が進むにつれ、嘘だと断言できなくなっていきます。
読者であり語り部の「私」とシンクロするみたいに、
読者である私もまたアーニャの物語に吸い込まれていきました。
「私」と一緒にアーニャに呆れたりツッコんだりしつつ、気付けば彼女から目を離せなくなる。
ここまで感情移入できる語り部…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『嘘つきアーニャ』を読んだ人も、読んでない人も
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』は故米原万里氏のノンフィクション。かの名著を本歌取した今作、一体どんな物語なのと読み進めたのですが、なんとまあ、アーニャの生き生きしていることか。その嘘かもしれない、ってか嘘でしょうという薄ら寒さすら人肌が感じられる。語り手の「私」の目(というか端末)を通してるから、「私」のアーニャに向ける同世代の同性に向ける親しみと冷酷さも、ひどく生々しかったです。特にアーニャのヲチスレを覗いて溜飲を下げるくだりは、職場のお昼休みと一緒ですね★
余談かもしれませんが、今作を読み、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を再読したくなりました。物語はこんな出会いと再会を与えてくれるか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愚かなのはアーニャか、それとも?
病的な虚言癖のある女の子。
不登校になった彼女を心配してLINEで様子を尋ねると、「トラックにはねられて異世界に転移した」との返信。
何そのベタな設定。
って、笑えません。
アーニャの設定は粗だらけなのに徹底していて、次第に周りを巻き込んでゆきます。
荒唐無稽と思いつつも、今のネット社会って「こう」だなぁって妙に納得してしまう。
作り上げられた虚像も、たった一晩でただのハリボテ。
煽り方ひとつで称えられも叩かれもする。
それでもブレないアーニャは凄いのかもしれない。
嘘も吐き通したらもしかして本当になってしまうんじゃないか。
もしかして本当に「ある」んじゃないか。
そんな風に思って、…続きを読む