概要
大海原に解き放たれし独身女よ――掴み取れ、玉の輿。
この物語は、どこにでも居るような独身アラサー女・大海原水子の婚活劇場である。
晩婚化と揶揄されたこの時代、水子を襲うは親の視線か、世間の歪な偏見か、はたまた老後の孤独死への不安か、それとも――。
「結婚、結婚はいいですよ、結婚は素晴らしいですよ、人生を豊かにしますよ、幸福の象徴ですよ、社会的人間の要件ですよ、人生の墓場ですよ、結婚はいいですよ」
晩婚化と揶揄されたこの時代、水子を襲うは親の視線か、世間の歪な偏見か、はたまた老後の孤独死への不安か、それとも――。
「結婚、結婚はいいですよ、結婚は素晴らしいですよ、人生を豊かにしますよ、幸福の象徴ですよ、社会的人間の要件ですよ、人生の墓場ですよ、結婚はいいですよ」
諸兄、凡人たれ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!墓場への道
まず人物名の魅力がすごい。大海原水子に泡銭金子にゲリラ豪雨。パルテノン神殿にリアス式海岸。これだけでもうすごくすごい。格好いい。
結婚しようと思いついた水子は葬儀屋であるメメント・森(仔狗川店)を訪れ、人生墓場アドバイザーのアドバイスを元に結婚への道を邁進していく。
階層がどんどんズレていくような応酬がとてつもなく心地よく、時折挟まる真理(結婚には結婚相手が必要、など)にハッとしたり、急に出てくるエスペラント語に爆笑したり、あらゆる五感が刺激される文章が最高。
ものすごく面白く読めるのに、根底にある「結婚とは何」という命題が読み終わってからも体の中にあって、こんな体験型の読書はしたことがない…続きを読む