墓場への道

まず人物名の魅力がすごい。大海原水子に泡銭金子にゲリラ豪雨。パルテノン神殿にリアス式海岸。これだけでもうすごくすごい。格好いい。
結婚しようと思いついた水子は葬儀屋であるメメント・森(仔狗川店)を訪れ、人生墓場アドバイザーのアドバイスを元に結婚への道を邁進していく。
階層がどんどんズレていくような応酬がとてつもなく心地よく、時折挟まる真理(結婚には結婚相手が必要、など)にハッとしたり、急に出てくるエスペラント語に爆笑したり、あらゆる五感が刺激される文章が最高。
ものすごく面白く読めるのに、根底にある「結婚とは何」という命題が読み終わってからも体の中にあって、こんな体験型の読書はしたことがないな〜と幸せな気持ちになりました。

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