オールザサッドヤングメン

作者 キタハラ

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108人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

タイトル【オールザサッドヤングメン】と、キャッチフレーズ【神様はいますか? 残念ながら、留守です。生き残れるのはどこのどいつだ?】。
センスが良すぎてふとした時に頭に浮かび、あれ、最新話まで読んだっけ?とついついアクセスしてしまいます。

群像劇というのでしょうか。ああリアルな会話ってこんな感じだよな、と思わせる怒涛の会話劇が魅力です。
そしてリアルな会話には暗黙の文脈があり、読者に明かされない暗黙の文脈がじわじわと明らかになってゆく感覚がもどかしくも心地よい。
一見複雑に見える人間関係がちゃんと解きほぐされていくのは、個々の場面でフォーカスすべき人を絞り込んで描いているからかも知れません。

神の視点で語られる地の文や、何かを知っているらしいババアがどこかに語りかけている様子が、作品に不気味な気配をまとわせています。
その気配がストーリーに絡んでどのようなうねりになってゆくのか、追いかけるのが楽しみです。

★★★ Excellent!!!

煙がどんどん室内に満たされる感覚。って言っても、なにも伝わらないかもしれませんが、私はそんな印象を受けました。
人間味のある登場人物、と書いてしまうとなんだか明るい印象になってしまいますが、今作のタグにもあるように悪意も人間の一部で、そういった空気に惹かれてしまうのも、これもまた人間らしさかなって思いながら拝読しています。

なんて堅苦しいこと言っちゃうとアレなんで!
両津新吉大好きです。やっぱお巡りさんはこうじゃなくっちゃね!それと『おブンガク』も最高でした。

たぶんきっと、私が思っているよりもずっと多くの視点で小説の面白さが詰め込まれた作品だと思います。発見するたびに、こういう楽しみ方もできるよ、って脳ミソの使ってないとこが動き出す。
あなたの面白いもぜひ共有してほしい。
まだ追いつける。この年末年始にガバッとまとめ読み。おススメします!

★★★ Excellent!!!

戯曲版から読ませて頂いているが、戯曲版の間はこちらである程度補填しており自らいい間を作り出して読んでいたつもりであった。では、小説版はどうだろう?
これが驚くほど、想像していた以上に会話と地の文で新たな間が生まれて、更に作品の密度と濃度を増しているのだ。
web小説の転換点、新たなエンタメの形だと僕は疑わずに、これを人に薦めたい。
単純に、面白い。
僕には、その言葉以上に必要な言葉が見当たらない。なぜなら、読めば、その面白さの原因は誰でもすぐに分かってしまうのだから。

★★★ Excellent!!!

ウェブ小説を読んでいると、時たま「なんか薄っぺらいな」と感じる時がある。
奥が透けて見えるような、例えばペラペラのおがくずのような文章を読まされることほど辛いものはない。

でも…
大木を切り倒して、その年輪を眺めているような文章なら、何度読んでも飽きはこないだろう。

犬の死から始まるこの物語は、そんな大木のようなお話である。
豊潤な大地から水と養分をたっぷりと吸って、それを登場人物達に注ぎ込んだような生々しさ。
血肉の通った怖さ。

地中深くまで根の張られたこんな物語を
無料で読むには余りに勿体ない。

★★★ Excellent!!!

どうすればプロとして商品価値、または文化的価値を持つ作品を書けるのか、それが分かれば今頃700万部くらい売ってマイアミ辺りに豪邸を建てているわけですけど、不肖・樋口、プロの書く作品に共通する条件を発見しました。
それはプロとして生き抜く十分条件ではないですが、絶対条件と言っていいです。
そして作者様のお作、拝読した範囲ではどれもその条件をクリアなさっています。
その条件とは何か、企業秘密なので記しませんが、作者様のご本を書店で購入する日もそう遠くないように思います。

★★★ Excellent!!!

兎にも角にも居心地が悪い。
本作を拝読している間、ずっと肌にまとわり付いてくるのが、そんな感覚です。

閉鎖的な山奥の村の空気、一触即発の人間関係、何よりも今の現実にそぐわない自分自身。
登場人物一人ひとりが抱える鬱屈や妄執が、混じり合い渦となって底なし沼へと引きずり込んでくる。
知らぬ間に、この怪作の虜になっていました。

村に君臨していた権力者を喪ったことで表面化する、血と家と金の泥沼劇。
元自殺志願者ばかりが住まわされるシェアハウスの、表の目的と裏の目的。
この二つの筋がどのように絡んでくるのか、あれこれ想像を働かせるのもまた一興。

現実離れした設定の、ともすればどこまでも重くも暗くもなる題材。
ですが、軽妙でリアリティ溢れる会話の応酬が、「自分のすぐ側にあるかもしれない、生々しい人間の物語」だと感じさせるのです。

自分の中身は未だオザケンが『今夜はブギー・バック』を歌っていた頃のままなのに、外側の殻は平成最後の空気を吸っているだなんて。
そういう類の、居心地の悪さ。
30〜40代ぐらいの人は特に、何かしら共鳴するものがあるはず。

物語はまだ途中。ここからどこへ向かっていくのか、非常に楽しみです。

★★★ Excellent!!!

衝撃、である。
まずそれが身体を駆け抜ける。それからじんわりと胸を打つ何か。抽象的な書き出しになってしまったが、それがこれである。
オールザサッドヤングメン。オールザサッドヤングメン。

圧倒的にシニカルでアイロニックな文章は、もはや暴虐。何しろ文章が圧倒されるような上手さで読み手のこころをガンガン揺さぶって来るのだ。
オマージュやパロディも含みながら、事態はどんどんと転がり続けている。ローリング・ストーンのように。この岩がどこまでも転がっていったとき、それが到達する檜舞台とは、果たして。

得体の知れない感情を、丸の儘に叩きつけて来る傑作。是非、この文字の災禍に囚われて欲しい。

★★★ Excellent!!!

冒頭いきなり衝撃がズシンときます! キタハラさんの作品の中でもダントツで凄味を感じる……。やばすぎます。深町パイセンで言うところの「エグザイル的な意味でのヤバさ」です。
戯曲版(まもなく公開終了とのこと)も読ませていただきましたが、いきなり物語のうずに飲み込まれていく……。
そして謎のシェアハウス「シラスハウス」ってもうキタハラさんの頭のぞいてみたい。なんなのこの人。頭おかしいんじゃないってくらいに面白すぎる。
他の小説が薄味に感じてしまうこの情報量と文章力。
キタハラさんの進化形。カクヨムコン頑張ってください、全力で応援します。