群像会話劇と不気味な気配が、読者をどこかに導いていく

タイトル【オールザサッドヤングメン】と、キャッチフレーズ【神様はいますか? 残念ながら、留守です。生き残れるのはどこのどいつだ?】。
センスが良すぎてふとした時に頭に浮かび、あれ、最新話まで読んだっけ?とついついアクセスしてしまいます。

群像劇というのでしょうか。ああリアルな会話ってこんな感じだよな、と思わせる怒涛の会話劇が魅力です。
そしてリアルな会話には暗黙の文脈があり、読者に明かされない暗黙の文脈がじわじわと明らかになってゆく感覚がもどかしくも心地よい。
一見複雑に見える人間関係がちゃんと解きほぐされていくのは、個々の場面でフォーカスすべき人を絞り込んで描いているからかも知れません。

神の視点で語られる地の文や、何かを知っているらしいババアがどこかに語りかけている様子が、作品に不気味な気配をまとわせています。
その気配がストーリーに絡んでどのようなうねりになってゆくのか、追いかけるのが楽しみです。