無料で読むには余りに勿体ない

ウェブ小説を読んでいると、時たま「なんか薄っぺらいな」と感じる時がある。
奥が透けて見えるような、例えばペラペラのおがくずのような文章を読まされることほど辛いものはない。

でも…
大木を切り倒して、その年輪を眺めているような文章なら、何度読んでも飽きはこないだろう。

犬の死から始まるこの物語は、そんな大木のようなお話である。
豊潤な大地から水と養分をたっぷりと吸って、それを登場人物達に注ぎ込んだような生々しさ。
血肉の通った怖さ。

地中深くまで根の張られたこんな物語を
無料で読むには余りに勿体ない。