「鼻腔」を含む小説

早期発見が難しいとされるすい臓がん。 ステージ1で見つかり、手術のあと、経過観察中の現在。 すい臓がんの告知を受けた50代後半独身男性の闘病と日常のあれこれを書きます。 花…

僕の家族は６人。両親、祖父母、妹、僕。端から見ると幸せな家族に見えるらしい。でも、実際はそうでもないのだ。父は心臓の病気を抱えている。心房細動という病名らしい。２ヶ月に１回、受診…

夜中に読まない方がいい話。

扉を開ければ、その『図書館』は不意に目の前に現れる。そこに踏み入れば、ホコリとインクの匂いが鼻腔を満たす。聳え立つ本棚が、奥へと招き入れて…。 【この作品はその内……その内ね。…

大海原に軍艦が征く、語る必要も無いほど有名な軍艦――大和。 大東亜に散っていった英霊達を祖国へ出迎えるが如く、甲板に硝煙を染みつかせた彼女は航路を走る。 いつしか、その硝煙の臭い…

主人公、朔柊也（さく・しゅうや）は、ニートで引きこもり系大学生。家族は執事の上村弦次郎（かみむら・げんじろう）だけ。ある日、不良グループのたまり場に足を踏み入れてしまった柊也は、…

喧騒の後の二人。 誰もいない板張りの部屋で。 汗臭い匂いが鼻腔をくすぐる。 苦味足ったイケメンが向かい合い。 見つめ合いながら交わす言葉に。 皆様も。 少し、興奮したりしま…

元口腔外科医が書いた長編医療小説。 (上顎洞癌…副鼻腔の一つである上顎骨内の、鼻腔の外側あたりにある空洞 にできる癌で、空洞の粘膜上皮から発生した癌) 　大学病院で口腔癌の…

　人々は遠い昔からユートピア「むさし野」を大切に守ってきた。 　皆の理想郷となる街は、秋の季節が一番気持ちが良い。のどかな日和にゆったりと坂道を歩けば、ケヤキ並木から鼻腔をくす…

　鼻腔をつく血と死臭の臭い、道端に転がる腐りかけた死体の臭い。 　死体を見ない日は無い、銃声を聞かない日は無い、薬を使ってラリっている人間を見ない日は勿論在る筈が無い。 　死を纏…

空港のロビーに微かに香る、鼻腔を蕩かす魅力的な桜の甘い香り……。 ある秘密から人と打ち明けられず、ひっそりとごく普通の人生を日本で歩んできたシロウは姉の結婚話を機に心機一転、渡…

横を歩く沙智のまつ毛から陽の光が溢れ落ちた。ゆっくりとこちらを見る薄茶の瞳。薄いシャツから覗く肌。時間が止まってしまえばいいのに。衣擦れの音が聞こえ蒼い匂いのする風が吹いた。揺れ…

《あらすじ》 　麗かな春。 　42歳独身、時代物BL小説家の溝口晶（みぞぐち あきら）は幼馴染、佐野郁子（さの いくこ）の息子である高校3年生の一樹（いつき）から猛アプローチを受…

三十代前半の白戸百合子は、太っている。 けれども、彼女に食べることへの興味はない。 温かくなり始めた春の夜。 ふと思い立って窓を開けると、美味しそうな匂いが彼女の鼻腔を擽った。…

一瞬、強く吹く風、その風が鼻腔の奥を刺激する。 「いったーい」 ――それはさも当然のように、赤在煉の頭上に飛来した。 　赤在煉、十六歳は、突然空から落ちて来た少女と出会った…

いつも君がそばにいた。幼いころからずっと。 学校へ向かうあの桜並木を通るたびに、君はいつも笑顔を振りまいていた。 癒されていた。君が僕のすべてだった。 ああなぜ今思い出すのだろう…

恋人たちが愛をささやきあうクリスマスイブ。 長年付き合った彼氏と喧嘩したあたしは、ひとりハワイのビーチに立っていた。 むせ返るほどに甘い香水の匂いがまとわりつく熱い砂の上で、あた…

唸るエンジン、響く振動、そして弾けるソウルシャウトっ！ 高速回転するソーチェンのカッターが、金髪角刈り双頭ゾンビの側頭骨を髪の毛ごと抉り取った。 そのまま振り抜く。 潰れた肉と砕…

社内恋愛なんてのはやるものじゃないと思っている。もう一生懸命相手を探さないといけない年齢でもない。でも、探している誰かに似ている横顔をふと見つけてしまった時、懐かしい香りが鼻腔を…