美味しそう。とっても、美味しそうです。私もはなさんのお惣菜を食べてみたい!そう思える作品です。美味しそうなご飯の描写、一つ一つの優しい味わいに解けていく心の描き方が巧みです。瞼の裏には鮮やかに食べ物の映像が浮かぶよう……本当に読んでいて幸せになれる作品でした。優しい物語、ご馳走様でした!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(116文字)
食事の描写があまりにも秀逸です。その描写力に強く引き込まれて、まるで食事をしたかのような感覚に襲われました。飯テロ越えです。脳の中で再生された鮮やかな食べ物たち。その食感が風味が、美味しさが伝わります。美味しかったです。
読みやすく丁寧な描写で見事に飯テロされました。自分ももっときちんとした食事をしたいなと思わされました。
主人公は在宅ワークをしている女性。食べることへの関心が薄く、日々、加工食品などで食事を済ませている。ある日、総菜店ができた。美味しそうな香りに誘われて外へでると―― 三月の年度末から四月の新年度とばたばたした日を送っていたときに、こちらの小説と出合いました。読んでいくうちに、食べることの楽しさとありがたさ、そして料理には愛情がこもっていることを思い出して、ほっこり。改めて食べることは幸せにつながると思った物語でした。
食べることに興味のない主人公の百合子。ある日、アパートの下に惣菜屋ができたことを知り、彼女はふらりとお店へ赴きます。ちょっぴり不思議な店員さんと出会い、買ってきた夕飯。この夕飯を食べるシーンが、たまらなく飯テロなんです!食べ物の美味しさを丁寧な言葉で伝えていて、美味しそうと思うと同時に、温かい気持ちにもなりました。思わず頬が緩んで、優しい気持ちになる作品。ぜひ、この美味しさを味わってみてください!
食事は命の根源となるもの。けれど同時に、毎日のことでもあるそれは、ときに煩わしく感じることもありませんか?そんなときは「はなのごはん」をどうぞ。この作品は、出てくるメニューもそうですが、文章にもやさしい風味が感じられます。飽食の時代、おろそかにしがちな食を見直して、心も体も満たしてくれます。
冒頭では主人公の性格が的確に描写されます。読者は、こんな性格の主人公が食を通じて、どのように変わっていくのかと興味を持つはず。ラスト、少しだけ成長した主人公の姿が描かれます。きっと共感することでしょう。
繊細な描写に思わず、お腹が鳴りました…