「西洋 異類婚姻譚」を含む小説

竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。 それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。 黒…

生まれつきある痣のせいで家族から虐げられてきた商家の娘、リディア。 18歳の誕生日を迎えた夜、家族に殺されかけたところを突然現れた美しき銀髪の貴人に救い出される。 連れていかれた…

竜を鎮める力を持つ『歌うたい』の見習いとして学院に在席していた孤児のシア・アンバーは、覚えのない罪を着せられて学院を追放された。死を選び、北の山中へ赴いたシアだったが、そこで北の…

　育ての親であったお婆さんを亡くしたシャウナは、お婆さんが残した森の中にある家で一人で静かに暮らしていた。 　そんなある日、お婆さんの昔の知り合いの使いを名乗る青年が森の家を訪ね…

わがまま王女サマの言いがかりで、国外追放にされた元子爵令嬢の私。 選択肢は蛮族と噂の獣人国だけ……と、やけくそで向かった先で、侍女仕えで培った髪結いを披露したら、鳥族の人々に歓迎…

「それは、水の精だね」 民俗学の教授、実方佐和子（さねかたさわこ）はそう言った。 「西洋の伝承だ。フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケーの小説『ウンディーネ』、パラケルススの『…

むかし、昔、あるところに。一人の美しい娘がおりました。 高貴な姫に勝るとも劣らない美しい娘に、街中の男達がぼうっと見とれ求婚しますが、彼女はどんなにすばらしい偉丈夫でも首を横に振…

「アルカ……お前との婚約、なかったことにさせてくれないか？」 わたくしがモフリスキー殿下からそう告げられたのは、あるうららかな初春の午後でした。学園の中庭で、お友達とのんびりテ…

これはある長命種の吸血鬼と短命種の人間との最期の「刻」の物語である。

　王太子マリオンは恋人ロザリンを傍らに卒業パーティの場で婚約者である公爵令嬢フランシアに婚約破棄を言い渡す。 　公爵の後妻イザベルが公爵家を乗っ取り、その連れ子ロザリンがマリオ…

――それは口説き魔妖精と、彼が見えてしまう私の、短くて長い夜明けまでの話。 ある月の綺麗な晩、立石の史跡で“私”はガンコナーと名乗る青年の姿をした妖精と出会う。 以来、気まぐ…

　父に飛ばされた久々の人間の世界で、ハイルは出逢う。自らの魅了の力が通じない少女、リーファに。まだ幼すぎる彼女こそ、ハイルの唯一だった―― 　※「ヴァンパイアと伯爵令嬢」に登場…

「カルミラの民」。それは、美しい容姿と超常の力で人間を誘惑し、その生き血を啜る吸血種族。人の営みの裏で絢爛に生きる人外の生物。 戦場で死にかけていた男は、カルミラの民・ヴィオレ…

「悪食男爵シリーズ」や「フェルニゲシュ戦記」の世界観で小話を書いております。軽くお読み頂ければ。 ※小説家になろう様にも掲載しています。 本編はこちら→ 「悪食男爵と首吊り塔の…