「耽美」を含む小説

私から従兄《あに》を奪う者には、その鮮血をもって思い知らせねばならない。 風が唸り、絡みつく草が駿馬を阻むが、構わずに突き進む。満天の星は疾駆するものたちを蔑むように冷ややかに…

未知について語れという。 という事で座談会を開きます。参加者は以下の三名。 オルロック　悪い魔法使い。以上。 カイン　イケメンのお兄さん。優等生。 アリサ　お淑やかなヒロイン。…

なにもかもが色褪せて、つまらない。 生きている実感のない明日香が、出会ったのは悠久の時を彷徨った吸血鬼。 この出会いを運命と言えば良いのだろうか。 夜の帳に隠れて逢瀬を重ねる。…

《邦画風じっとり青春ノスタルジック×ファム・ファタール耽美サイコホラー》 男子中学生・谷崎真理は、離島唯一の医師である父に命じられ日常的に死体を解剖している。 閉塞的な日々から…

19世紀末ロンドン。 科学と迷信の狭間で、ひとつの薬が“人間の形”を揺らし始める。 医師、ヘンリー・ジキルと、彼の奥底から生まれた影、エドワード・ハイド。 闇夜で女を解体する青年…

古都アルトシュタットの僧院に暮らす青年エマヌエルは、貴族の悪友フェルディナントともに夜毎酒とカード、女に溺れ自堕落な日々を送っていた。ある夜、夜道を走り来た幼子が落としたメダリオ…

『青薔薇は魔を招く』 ……巷ではそう言われているけれど、僕はそうじゃないって信じていた。 「幸せの青い薔薇」って僕の死んだお母さんは言っていたから。 吸血姫と僕っ子の百合なら…

金欠でアル中寸前のあたしを拾ったのは、 無表情で体温を感じさせない男・宮代。 金をやるから、ついてこい。 失うものがないあたしは、宮代の住む家を訪れるのだが・・・・・・。 …

教授は玲を研究室へ監禁し、異国の血を引くその美貌を「美しさは罪だ」と嘲った。机上には冷ややかな輝きを放つ器具が並び、玲を人間ではなく、ただの美しい標本として切り刻む準備が整えられ…

森に迷い込んだ赤いずきんの少女と、気まぐれに助けた森の狼。そこから誰も知らない秘密の逢瀬が始まった。 人間と狼。信頼と思慕。決して交わってはいけない存在。許され得ぬ恋が静かに、…

時は遡ること千年───世は、貴族政治の中、泰平を謳歌《おうか》していた。 西の果ての交易都市。領主の甥、伊佐宗倫は、屋敷が抱える武装家人らを統率する若き頭領───家の子として、…

１月生まれの千織さんと三島さんに捧げます。 　科学技術の進歩は、人間を神に近づけなどしなかった。 　ただ、人間がいかに不潔で、欠陥だらけの有機物であるかを暴き立てただけだ。 　…

ミハシは一度なら事故だと言う。

港町の町長が、謎の失血死体となって発見された。 その葬式を取り仕切る為に現れたのは、大きなトランクを持ち、うたのお兄さんのような変わった話し方をする美しき神父、バルー。 彼が…

「己の罪を悔いるがいい。聖なる刃は今、慈悲深き罰を与えたもう」 　アメリア・アイアン・アメーディン公爵令嬢──完璧な美貌と学院一の頭脳、そして類い希なる魔法の才を持つ彼女は、そ…

夢と現の境がほどけ 花弁の奥で何かが息づく。 愛は祈りに似て 祈りは呪いに変わり やがて骨のように美しく腐っていく。 これは 静寂と狂気が寄り添う夜に紡がれた 眠りのような恋…

七人の大学生の視点で進む！！恋愛×異能×SF <あらすじ> 「さぁ、解毒を始めよう」 鈴木月夜の前に現れた謎の男、佐藤天雄は“トリカブト”だった。 愛が毒になる病気、愛…

文明崩壊後のアポカリプス世界。 人間は人工ニューロンを埋め込まれて意識を各都市に「統合」され、大天使に管理されている。 主人公のアヤトは管理からこぼれ落ちてしまい、異分子として都…

耽美詩集・けしき編 情景に耽溺する小品集。 連番を振っていますが、どこからでもお読みになれます。 ※法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません

十九世紀末ヴィクトリア朝。文化の中心であるロンドンから長閑なカンタベリーへ向かうレオンハルト・ハワードはロンドン橋で一人の少年と出会う。レオンは、少年の正体を突き止めようと試みる…